ホームへ   サイトマップ 

Ubuntuを始めよう。 (9)

今回は、仮想OSです。

仮想マシンを作成して仮想OSを使用するには、PCエミュレーターや仮想化ソフトを使います。
ハードをエミュレートするPCエミュレータは低速になり易く、Linuxでは“QEMU”が有ります。
仮想化ソフトはハードを共有して動作するので、エミュレーターより高速動作が可能で、“KVM”・“Oracle VM VirtualBox”・“VMwarePlayer”等が有ります。

KVMは、QMUEの力を借りて動作し、CPUのハードウェア仮想化支援機能の「IntelVT」/「AMD-V」を利用してQMUEの高速化を行うカーネルモジュールです。従って、PCが「IntelVT」や「AMD-V」に対応していないと使用できません。

仮想化ソフトのKVMとVirtualBoxは、Ubuntuでは簡単にインストールできますが、VMware Player(Playerが無償バージョン)は、ダウンロードしてインストールする作業が必要となります。(簡単な作業です。)

仮想マシンを使用するにあたり、重要な事があります。
それは、ハイスペックのマシンが必要だということです。
スペックの余り高くないマシンでは、仮想マシンを作成して使用する場合に、操作や処理にかなりのモタつきが生じます。動画再生等は、カクカク再生になって、視聴に耐えない状況となります。しかし、このような低マシンスペックの場合でも、動画再生などを行わず、使用するアプリも軽量なものを使用すると、ソコソコに使用できます。

仮想OSを使用出来れば、OSのデュアルブート等と比べると格段に使い勝手が良くなります。何故なら、デュアルブート等と違って、ホストOS(実PCOS側)とゲストOS(仮想OS側)の両方を同時に立ち上げて使用できるからです。

今回使用する仮想化支援ソフト。
“Oracle VM VirtualBox”(以下VirtualBox)を使用します。
VirtualBoxは、Ubuntuソフトウェアセンターから簡単にインストール出来ます。

VirtualBoxのインストール。
Ubuntuソフトウェアセンターを起動して、“virtualbox”と検索してインストール。
Ubuntuソフトウェアセンターでインストールした場合は、VirtualBoxの起動へ続きます。


此処からは、参考までに、VirtualBoxのダウンロードからインストールまでを行う方法も記載しておきます。



上図青矢印のURLを開きます。
上図丸印部分の“Oracle VM VirtualBox”と“同Extension Pack”をダウンロードします。

ダウンロード
上図下にスクロールします。



・上図が表示されるので、自分のプラットフォーム(Ubuntuのバージョンとbit数に合わせて)にあわせてダウンロードします。(上図は、Ubuntu12.10リリース時点での画像です。)
・続けて、“Extension Pack”のインストールを行います。
バージョンが表示される場合は、上でダウンロードしたVirtualBoxのバージョンに合わせてダウンロードします。


VirtualBoxのインストール
落としたファイル(ダウンロード時に特別場所指定していをしていなければ、Download若しくはダウンロードにあります。)をWクリックすると、Ubuntuソフトウェアセンターが開き、VirtualBoxが表示されているので、「インストール」をクリック。

上記でインストールした場合のアンインストールは、Synapticを起動しインストール済みソフトを検索して削除。


Extension Packのインストール
Extension Packは、仮想OS(ゲストOS)構築時に、USB2.0を設定する場合に必要で、Extension PackがインストールされていないとUSB2.0が使えません。
もし、USB2.0使用の予定が無ければインストールしなくとも良いかと。

Extension Packのインストールは、VirtualBox本体のインストール後に行って下さい。
若しかしたら、“Ubuntuソフトウェアセンター”からインストールした場合は、“ExtensionPack”はインストールされていないかもしれません。
“vboxusers”グループへの追加を行っていても、USB2.0の設定でエラーとなる場合は、“ExtensionPack”がインストールされていない可能性があります。その場合は、同じバージョンのExtensionPackをダウンロード・インストールして下さい。

落としてあるファイルの場所を開きます。



Extension_Packファイル(アイコン)を右クリックし、“VirtualBoxで開く”をクリック。



上図のようなメッセージが表示されるので「インストール」をクリック。



上記の表示で「同意します」



インストールが無事終了すれば、上記のように表示されます。
「OK」で終了


“グループの追加”

VirtualBoxのUSB設定で“現在USBデバイスへのアクセスは許可されておりません。ユーザーを‘vboxusers’グループに追加・・・”の旨の警告が表示される場合があります。
その場合は、ユーザー(この仮想OSを作成しているログインユーザー)を“vboxusers”に追加します。

VirtualBoxとExtensionPackのインストールが済んだら“グループの追加”も行っておきましょう。

“グループ追加手順”
GUIで行う場合の手順(ホストOS側(此処ではUbuntu)で行います。)

Ubuntu12.04の場合。
システムメニュー⇒システム管理⇒ユーザーとグループ
開いた画面で「ロック解除」
ユーザー名を選択
グループの管理
vboxusersを選択して「グループの追加」をクリック。

グループの管理が表示されない場合は、“gnome-system-tools”をインストール。

参考)CUI(端末)で行う場合は。
$ sudo gpasswd -a (ユーザー名) vboxusers

ここのユーザーのvboxusersへの追加は一度行えば良く、後で別の仮想OSを追加する場合は不要です。


以上でゲストOSのインストール前の作業は終了です。
このあとの手順は、仮想マシンを作成して、ゲストOSのインストールを行い、VirtualBox GuestAddtionsのインストールとなります。GuestAdditionsのインストールはゲストOS毎に必要です。

ホストOSとゲストOS
ホストOSは、仮想マシンを作成しているOSの方の事です。ここではUbuntu12.04となります。
ゲストOSは、仮想マシンにインストールされているOSの事です。

ホストOSは1つですが、ゲストOSは複数インストールすることが可能です。


今回のゲストOSのインストール例は、“Lubuntu”です。
ゲストOSのインストール例に使用する“Lubuntu”をダウンロードして、インストールディスクを作成しましょう。

下記からLubuntuをダウンロードしましょう。
https://halp.ubuntu.com/community/Lubuntu/GetLubuntu



ファイルをダウンロードしたら、Ubuntuのインストールディスク作成例に習って、“Lubuntu”のインストールディスクを作成しましょう。
既に、Ubuntuがインストール済ですので、“Brasero”で作成しても良いです。“Brasero”の使用方法は、ページ“ライブCD/DVDの作成”のBraseroの項を参考にして下さい。(ダウンロードしたファイルを指定する方法もありますが、CD/DVDで作成しておくと、後でDVD単体でのライブ起動などにも使え便利なので、作成しておいたほうが良いです。)

VirtualBoxの起動。

ランチャー又は、Dashで“virtualbox”と検索して起動。
ランチャーに登録されていない場合は、登録しておいた方が良いでしょう。

 VirtualBox起動アイコン。



VirtualBoxを起動すると上図が表示される場合が有りますが、取り敢えずは「OK」で閉じてしまいましょう。

・仮想マシンの作成



上図が表示されます。
矢印の“新規”をクリック。



1:仮想マシンの名前を入力(任意名ですが、英字表示がよいでしょう。)
2:OSのタイプを選択。(Linuxを選択)
3:バージョンの選択。(今回は、Ubuntuとインストールディスクのbitバージョンを選択。)

3のバージョンの選択でリスト上には“Lubuntu”の表示はありませんが、ここでは、ベースLinuxのUbuntuのバージョンを指定しています。

  

作成したインストールディスクのバージョンに合わせますが、上図の“Ubuntu”が32bit版です。
64bitの方は“(64bit)”の表示があります。

リストに無いディストリの場合は、派生ディストリの場合はベースLinuxを指定しても大概の場合は大丈夫なようです。
ベースLinuxが無い場合は、“その他”でカーネルバージョンを指定します。




メモリ容量の指定
今回のマシンは、メモリを8GB搭載していますので、2GB程割り当てました。
1GB以上割り当てられればよいでしょう。
注意)マシン搭載メモリの半分以上を割り当てない様にして下さい。
例えば、実マシンに4GBのメモリを搭載している場合でも、ビデオメモリ等で使用されて、搭載メモリ全てが使用できないので、搭載メモリは其の分を差し引いて考えて下さい。(3.7GB位だと考えておけばよいでしょう。)
(搭載メモリは〜$ free -mで確認できますが、ディストリによって、Totalメモリ容量の表示が違っています。)



“仮想ハードドライブを作成する”を選択。




“VDI(VirtualBox Disk Image)”を選択。



今回は、“可変サイズ”を選択。
ここは、可変サイズ、固定サイズの何方でもよいでしょう。
上の説明をみて決めましょう。



中段のHDサイズ指定のみ行います。
今回は、12.3GBを指定。(スライダーで容量選択しても、入力窓に数値を直接入力しても良いです。)
仮想HDサイズを決定したら「作成」。



1:最初の画面にもどるので、1のリスト上に表示されている作成した仮想マシン名をクリック選択。
  (まだ1つしかありませんので、既に選択されています。(選択箇所はオレンジバック。))
2:設定をクリック。



1:システムを選択し、右側で「マザーボード」タブを選択。
2:フロッピーのチェックを外し、3の“↓”ボタンをクリックしてハードディスクの下に移動。
  右側の緑色三角で示す図の様になります。
4:次の項で2つ以上のCPUを指定する場合はチェックを入れます。
  (2つ以上のCPUを指定した場合に、チェックがない場合は自動的に入ります。)

右下の「OK」は設定が終了するまでクリックしないでください。



「プロセッサー」タブを指定。
プロセッサー数で2を指定。
シングルコアの場合は、1つしか指定できませんが、Core2でHT対応の場合は、HTもCPU数に数えられます。CPU数で2を指定しましょう。(1個だと動作がかなり緩慢になるかもしれません。)
最近のマシンなら、Core2・HT対応だと思います。



1:ディスプレイを選択。
2:ビデオメモリ容量を指定しますが、メモリに余裕があればフルに指定してしまいましょう。
  そうでない場合は、64MB程度指定しましょう。
3:3Dアクセラレーションにチェック。



ストレージを選択。(ここは参考程度に)
ゲストOSのインストール中に中止をするなどを行った場合に、再度インストールディスクをセットして立ち上げようとしても、インストールディスクから起動しない場合があります。その場合は、1のCDアイコンをクリックすると、下図が開くので、PCに搭載されている光学ドライブを選択しましょう。
  




1:ネットワークを選択。
2:NATになっていることを確認してください。



1:USBを選択。

2:USB2
.0にチェックを入れます。
Extension_Packのインストールやユーザーを‘vboxusers’グループに追加していない場合は、警告が出て設定できません。(USB2.0を使用しないのであれば、チェックをしなくても良いかと!。)

3:USBデバイスフィルターの設定。
3のアイコンをクリックすると4が開きます。(3のアイコン右側に表示)
4の表示から使用したいデバイスを選択して追加。
複数ある場合は、3・4を繰り返す。



共有フォルダの設定。
右下の表示から解るように、GueastAdditionsのインストールを行わないうちは設定できません。
従って、ゲストOSをインストールして、GuestAdditionsのインストールを行ったあとに設定します。


ゲストOS(Lubuntu)のライブ起動とインストール。

Lubuntuのライブ起動。

作成してあるゲストOS(Lubuntu)インストール用ディスクを挿入します。



上図が表示されたら、「キャンセル」で閉じてしまいましょう。





1:作成してある仮想マシンを選択。
(2:2の“一般”以下に作成した仮想マシンの設定が表示されているので確認。)
3:“起動”

以下の起動中に、下記の3つ(及び類似の画面)の画面が表示されますが、其々表示されたら、「OK」や「キャンセル」で閉じて下さい。

 



上記3つ(及び類似の画面)の画面が表示されたら、その時点で「OK」や「キャンセル」等で閉じて下さい。




上図が表示され、搭載光学ドライブが選択されています。
複数の光学ドライブが搭載されている場合は、インストールディスクの挿入してあるドライブを選択。



上図が表示されますが、1で示す様にカウントダウンされており、0になると表示の選択で起動してしまいます。
(「↑」「↓」キーを押すとカウントダウンは停止します。)
デフォルトでは、2の“English”が選択されていますので、3の“日本語”を矢印キーで選択して、「Enter」をクリック。(マウスでも選択可。)



上図が表示されます。
1で表示される「F3」キーを押してキーマップを表示して、キーマップ選択で“Japan”が選択されているのを確認します。選択されていない場合は、“Japan”を選択して下さい。
選択(確認)したら「Enter」。
上図が表示に戻るので、2の“インストールせずにLubuntuを試す”を選択して、「Enter」を押すとライブ起動が始まる。



上図がライブ起動が完了した状態。



1がWindowsのスタートメニュー相当で、ここからアプリの起動等が出来ます。
2で、Webブラウザの“Chromium”が起動します。



“google jp”と検索してみましょう。
上図の様に表示されると思います。
“Google”クリックしてみましょう。
“Google”の検索ページが表示されましたか。
これで、日本語表示とネット接続には問題が無い事が解りましたね。

無線LANで接続できない場合がありますが、その場合は、LANケーブル接続をしておいてください。
ホストOS側でケーブル接続でオンライン接続が出来ている場合は、問題なく動作すると思います。


今回は此処までです。
次回は、今回のLubuntuのライブ起動に引き続いて、次回は仮想マシンにLubuntuのインストールです。


Ubuntuを始めよう。@ A B C D E F G 
H I J K L M N O

ページトップ
inserted by FC2 system