ホームへ  サイトマップ

Ubuntu XP 計画−1




2014/4月初旬WindowsXpのサポートが終了します。
日経Linuxの記事によると、2012/12時点でデスクトップOSシェアの約40%近くを占めているようです。
まだ多くの方が使用しているのですね。

2014/4以降はサポートが失くなりますが、別にXpが使えなくなる訳ではありません。
引き続き使用することはできます。
(私は、未だにWindows2000を使用しています。主にテストや検証等のために使用しています。)
が、少々問題があります。特に大きい問題は、サポートされなくなるためセキュリティが問題となります。
特にWindowsは、OSの脆弱性などを悪用して悪さをする方達がいます。
サポート期間中は脆弱性が見つかると、パッチプログラムが提供されますが、サポート終了後は其れが失くなります。
セキュリティに脆弱性を抱えたまま使用するのは不安が残ります。

“自分はネット接続をしていないので大丈夫。”と言えないこともないのですが、ネット以外の方法で外部とのデータのやり取り(例えば、USBメモリを介して)を行っている場合も、この危険性は付き纏います。
また、サポート終了と共に、段々とXp対応アプリが少なくなります。

レンタル品でまだレンタル期間が残っている場合や、所有PCで色々手を加えたりしているので愛着がある場合など色々理由は有るでしょうが、Xpマシンを使い続けたいと思う場合があるでしょう。(WinXpでは無く、PCの方を使用)

Xpマシンに、Windows8を載せようとしてもスペック的に問題がある場合が多いのではと思います。
まして、Win8に載せ換えるには結構な金額がかかります。

其処で、WindowsではなくLinuxに載せ替えてみませんか?。
メインでLinuxを使用してXpはサブとして残す、デュアルブートがお勧めです。
(本当は、WinXpは使用しない設定(Linuxのみ)の方がお勧めです。)

まず、必要マシンスペックについて見ておきましょう。
Xpの推奨スペックは、CPU300MHz以上のPemtium・メモリ128MBとなっています。
現在のWindows7/8の最低必要スペックは、CPU1GHz・メモリ1GB以上ですが、実際の使用にあたっては、此の倍以上のスペックを必要とします。(最低スペックで動かしても動作が緩慢で使用に耐えないでしょう。)

今回搭載予定のUbuntuの最低必要スペックは、CPU700MHz・メモリ512MBです。(最低スペックの倍以上のスペックが欲しいですね。)
Xp後期のマシンなら、Windows7/8の必要スペックに手は届かなくても、Ubuntuのスペックには近いものがあるのではないでしょうか。

Linuxのディストリビューションには超軽量なものがあり、かなり低スペックマシンでも動かせるものがあります。
また、Linuxディストリビューションは、DistroWatch.comに登録( http://distrowatch.com/)されているものだけでも、300以上あるようです。(DistroWatch.comの “Page Hit Ranking”に300程あります。)
ネット検索すると、自分マシンに合うディストロや自分好みのディストリがあるでしょう。(ページ“ディストリービューション”にも幾つか載せてあります。)
殆んどのディストリは無料です。

PAE対応。
あと1つ検討しておかなければならないことがあります。
それは、CPUの種類です。
XpマシンのCPUが、PAEに対応しているものと対応していないものがあります。
PAE(Physical Address Extension:メモリのアドレス拡張機能の事)は、CPUが32bitの場合は、メモリアドレス空間が4GB以下となり、4GB以上のメモリは使用できません。其処でアドレス空間を仮想的に拡張して4GB以上のメモリを使用出来るようにする機能です。
セレロンの場合は、これに対応/非対応のものがあります。
(正確な型番は解りませんが、多分2005年頃を境に分かれているようです。私の所有PCにもPAE非対応のノートPCがありましたが、現在は友人が使用しています。)

所有マシンのPAE対応を調べるには、ページ“PAE アドレス拡張”を参考にしてください。ページ末にPAE対応を調べる方法があります。

最近のUbuntuは、此のPAE対応でないとインストール出来無くなりました。(非常に面倒ですが、PAE非対応Ubuntuも作成可能です。)
今回は、PAE対応品に限られますが、Ubuntu13.04をインストールしてみましょう。

PAEに対応していないPCの場合は、他のPAEを使用していない軽量ディストリを導入しましょう。

さて、やっと本題に入れそうですが、Xpから他のOSに変わって最初にまごつくのが、デスクトップのユーザーインターフェースですね。
(Windows8ではタイル方式になりましたし、Ubuntuも現在はランチャー方式です。)

今回の計画は、インストールしたUbuntuデスクトップをXpのデスクトップに近づけてしまおうと言うものです。
題して“Ubuntu XP 計画”(計画などと、だいそれたものではありませんが!。)

上記で、“Xpに近づけてしまおう”と記載しているように、UbuntuをWinXp(および、WinVista、Win7等のWin8以前のWindows風)風に、見た目や、操作性を近づけるということで有って、UbuntuがWindowsになる訳ではありません。

今回使用するLinuxディストリビューション(配布物)は、Ubuntu13.04です。
Linux・ディストリビューション等については、Linux関連ページをご覧下さい。

参考)
現在のUbuntu(現在のバージョンは、現時点で、17.04)は、どちらかというとWin8に近いかもしれません。
インストール直後のUbuntuは、操作性は優れていますが、Windowsとはかなり異なっています。
Ubuntiのインストール後に、WinXp(Vista、7)風に変更するまでの手順に戸惑いを感じるかもしてません。

比較的WinXpに似たディストリビューションがいくつかあります。
Ubuntuのフレーバー(Ubuntu派生ディストリ)として、Xubuntu、Lubuntuが有ります。
Xubuntuはデスクトップに“xfce”、Lubuntuiは“LXDE”を使用しています。
Xubuntuは、Winと似ていますが、メニューパネルが上部となります。必要マシンスペックは、Core2、メモリ1GB程度必要でしょう。
Lubuntuは、メニューパネルが下部にあり、Windowsのような感じです。マシンスペックはXubuntu程必要とせず、メモリも1GB以下でも良いです。
機能はXubuntuに劣りますが、通常の使用では問題ないと思います。
初めてのLinuxで、Windows風でマシン再生しようと思うなら、Lubuntuがお薦めでしょう。

其の他にも幾つか有りますが、ZorinOSがお薦めでしょう。
ZorinOSには、Lite版とCore版があります。
Core版はメモリ512MBでも動作すると思われますが、Core版は2GB程度必要です。
なお、ZorinOSは、予め、Windows風と、Mac OSX風が選択できる機能が搭載されております。


取り敢えず、Ubuntuをインストールするにあたり、幾つか決定しておくことや予め必要なデータのバックアップを取っておく必要があります。

Ubuntuのインストール形式。
・シングルブート方式
  現在あるXpを削除して、Ubuntuのみをインストールする方法。
  インストール方法が簡単です。
  こちらの方式は、Xpの必要なデータをバックアップしておく必要があります。

・デュアルブート方式(2つのOSをインストール)
  現在あるXpとUbuntuを併用できるような形でインストールする方法。
   (両者を同時に起動することはできません。起動時にどちらかを選択して起動します。)
  インストール時に設定を間違うとXpまで起動しなくなることがあります。
   (極希にです?。余程の設定ミスを行わない限り大丈夫です。)
  必要なデータは後からでも設定や移動が可能です。
   (設定ミスをすると、データが無くなる場合があるので、バックアップは取っておきましょう)

上記以外にも、仮想OS方式もありますが、XPマシンスペックでは速度の点で難が有るので今回は対象外にします。

シングルブート方式では、インストールに先立ってデータのバックアップを取っておく必要が有ります。
デュアルブートの場合は、後からでもデータの移行はできますが、万が一に備えて、シングルブートの場合と同様の手順で、バックアップを取っておきましょう。

前準備)移行データのバックアップ。
アプリで作成したデータ
此れは、Ubuntuのアプリで使えるかどうかは解りません(ExeclやWord等のデータは多少崩れますが使用できると思います。)が、取り敢えず、外付けHDD(USB接続HDD等)にバックアップを取っておきましょう。
シングルブートでインストールする場合は、Cドライブに保存してあるデータは全て失くなります。

I・Eのブックマークやメールの移行用データのバックアップ。
(ブックマークが全て無くなってしまうのは、後で同じページを探して行くのは大変な作業ですね。また、今までのメールが無くなってしまうのも大変ですね。)
データ移行手順)
XpからUbuntuへの、I・Eブックマークやメールの以降手順は、I・Eブックマークは、Firefox、メールはThunderBirdをXpにインストールし、I・EやOutlookのデータをFirefox及びThunderbirdにインポートし、データを保存し、UbuntuのFirefoxとThunderbirdにデータを移行します。
何故この様な方法を採るとかというと、FirefoxとThunderbirdには、インポート機能があって移行が行いやすいためです。

I・Eのブックマークのバックアップと復元(移行)。

作業の流れ。
I・Eのブックマークを、Firefoxでインポートし、そのインポートデータを保存します。(ここの作業はXP。)
Ubuntuをインストール後、UbuntuのFirefoxに保存データをインポートします。(ここの作業は、Ubuntu。)


作業開始

Firefoxのダウンロードとインストール。
Firefoxをダウンロードします。
 http://www.mozilla.jp/firefox/
からWindows用をダウンロードしてインストールします。
ダウンロードしたファイルをWクリックしてインストールを行います。

Firefoxを起動すると、初回起動時のみ“設定とデータのインポート”画面が表示されるので、
“◎ Microsoft Internet Explorer”を選択してインポートして下さい。


もし、既にFirefoxをインストール済で、I・Eのブックマークをインポートしたい場合は?。
ツールバーのメニューから「ブックマーク」→“すべてのブックマークを表示”→「インポートとバックアップ」と開き、“他のブラウザからデータをインポート”でインポートして下さい。
(I・EとGoogle Chromeのインポートができます。)


ブックマークのバックアップ


 図F-1

Firefox画面上部の“ブックマーク”→“すべてのブックマークを表示”



 図F-2

バックアップと復元を使用する場合。
上図のバックアップをクリック。


 図F-3

保存場所を決めて、上記1のファイル名を確認して保存します。
2のファイルの種類(拡張子)も確認しておきましょう。
保存場所は、USBメモリ等の外部USB接続機器が良いでしょう。
(Ubuntuをシングルブートでインストールする場合は、WindowsのC:やD:に保存しておくと無くなってしまいます。)


ここの作業は、新しくインストールするUbuntuのFirefox上で行います。
まだUbuntuをインストールしていませんが、インストール後に此処の設定を行って下さい。
(手順説明の流れとして先に記載しておきます。)

復元

UbuntuのFirefoxのツールバーで“ブックマーク”→“すべてのブックマークを表示”→“インポートとバックアップ”→“復元”。


 図F-4

上図が開くので、2の“ファイルを選択”から、バックアップファイルを保存してある場所を指定して復元します。

以上でUbuntuのFirefoxにブックマークの復元完了。

上記の方法は、バックアップファイルがFirefox用のファイルとなるので、他のブラウザでは使用できませんが、HTML形式でバックアップしておくと他のブラウザでも使用できます。

HTMLでのバックアップ方法。
バックアップ
Firefoxのツールバーで“ブックマーク”→“すべてのブックマークを表示”→“インポートとバックアップ”と開きます。
“HTMLとしてエクスポート”をクリック。
USBメモリ等に保存します。

ブラウザでインポート(ブックマークをインポート)
ブラウザ(Firefox・Google Chromr・Opera等)を開きます。

・Firafoxなら“インポートとバックアップ”を開き、“HTMLからインポート”を選択して、ブックマークの保存場所のファイルを指定してインポートします。

他のブラウザの場合も、ブックマーク関連の箇所でインポートできます。
・Operaなら、ファイル→インポートとエクスポート→Firefoxのブックマックをインポート。

・Google Chromeなら、右上端(設定アイコン?)から、“ブックマーク”→“ブックマークマネージャ”→“管理”→“HTMLファイルからブックマークをインポート”です。
Google Chromeの場合は、“ブックマーク”→“ブックマークと設定をインポート”でFirefoxから直接ブックマークをインポートする機能もあります。



メールのバックアップと移行(復元)

WindowsからLinux(Ubuntu)への移行に伴い、メールも移行しておかないと、今までのメールが全て無くなってしまいます。

作業の流れ
O・EやOutlookから、Thuderbirdでデータをインポトートし、インポートしたデータを保存します。(ここはXPで作業)
UbuntuのThunderbirdに、保存してあるデータをコピーします。

(此処の作業は、Xpで行います。)
バックアップ作業を始める前に、Windows用Thunderbirdのインストールを行います。
此れは、ThunderbirdにOutlookやO・Eのデータインポート機能があるため、作業が簡単にできるためです。

Thunderbirdのダウンロード。
下記などからダウンロードできます。
 http://www.mozilla.jp/thunderbird/ (Mozila Japan)
 http://www.forest.impress.co.jp/library/software/thunderbird/ (窓の杜)
 ダウンロードしたファイルをWクリックするとインストールが始まります。

Thunderbirdを起動します。
初回起動時のみ、“設定移行ウィザード”が始まり、インポート元を“Outlook Express”を指定して続けます。
“アカウント設定”で、メッセージの保存先が表示されているので、メモをしておきましょう。
ここから先は、図T-7以降と同じです。

何らかの理由で初回起動時に、途中で閉じてしまって、上記“設定移行ウィザード”が表示されない場合。

Thunderbirdを開きます。


 図T-1

ツールバーの“ツール”→“設定とデータのインポート”をクリック。



 図T-2

“すべてインポート”を選択して「次へ」。

私が行った場合は、“すべて・・・”では、何故かうまくいきませんでした。
それなので、必要なものを個別に行いました。


 図T-3

インポート元の指定(クリック選択)。



 図T-4

上図は、使用していなかったExpressのインポートを行った場合で、上図の様になります。(当然ですね。)



 図T-5

上図は、Outlookを指定した場合の結果です。
メール数が極端に少ないのは、Outlookから、Liveメールに数日間で移行してしまっため、メールデータが殆んど無いためです。


図T-1のしたから2行目の“アカウント設定”をクリック。


 図T-7

“アカウント設定”が開きます。
左ペインで“サーバ設定”をクリック。
右ペインを下に辿ると、“メッセージの保存先”が有り、その下に保存先のパスが表示されています。


 図T-8
保存先パスは、上図の様に表示されていので、メモしておいて下さい。
の部分はユーザ名が入っています。
の部分はランダム英数字が入っています。

上記のパスで、“C:”から“\
.default”迄が必要なパスです。
上記は、設定メールアドレスのフォルダのパスですが、他にも別のメールアドレスを使用している場合は、其れ等の“サーバ設定”に在る保存先のパスを確認しておいて下さい。(・・“\.default”迄は同じはずなのですが。)


 図T-9
ローカルフォルダも念のため確認して下さい。


 図T-9
上図の様に、“ローカルフォルダ”も同じです。


インポートしたデータをUSBメモリやUSB接続HDDに保存。

ファイルマネージャ(エクスプローラ)を開き、上記の保存先パスを開きます。
C¥・・・・・\Thunderbird\Profile\
.default とひらきます。
 ¥・・・・・¥の部分のパスは上記と違う場合があります。
\.defaultまで開いたら、\.default下のフォルダやファイルをUSBメモリ等にコピーします。
コピー先を開いて、フォルダーやファイルが保存されていることを確認して下さい。

以上でバックアップは終わりです。(後は、Ubuntuインストール後の復元です。)

UbuntuのThunderbirdへメールデータの移行(復元)
ここの作業は、UbuntuをインストールしてからThuderbird上で行います。
Ubuntuをインストールしてから行って下さい。
(作業手順の説明の流れとして先に記載します。)

UbuntuのThunderbirdを起動します。



 図T-10

メニューバーの“編集”→“アカウント設定”をクリック。

開いた画面の右ペインで“サーバ設定”をクリック。


 図T-12

上図のように、右ペインの“メッセージの保存先”のパスを確認。

.thunderbird”は隠しファイルとなっているので、操作前に、ファイルマネージャ(Nautilus)のパネルメニューの“表示”→“隠しファイルを表示する”、又は「Ctrl」+「H」で隠しファイルを表示してから下記を行って下さい。

ファイルマネージャ(Nautilus)で上記パスの“・・・/
.default”下に、USBメモリ等にバックアップしてあるデータをコピーすると、メールの移行が終わります。

Linux(Ubuntu)のインストールは次回に行います。

・Ubuntu XP 計画の参考書籍は“日経Linux(2013/9)”です。

日経Linuxは、Linuxに特化した月刊誌です。
AndroidやARMボード、Rasberry Piなどに関する記事の載る号もあります。
また最近は、簡単なハーウェア工作の記事も増えています。
内容的には難しいところもありますが、比較的入門者対象の様な記事も多くあります。
毎回特集記事が2本ほどありますが、目を引く記事が多いです。
日経Linux以外にも、隔月でLinux関連雑誌がありますが、是等は殆んど入門用記事が多く、ある程度理解が進むと物足りなくなりますが、その点、日経Linuxは毎月面白く読む事ができます。
日経Linuxは、1と月読んでも余り解らない事が多くても、読み続けているうちに理解できるようになります。
是非連続して読むことをお薦めします。(定期購読がよいでしょう。)

また、読むだけでなく、実践してみる事をお薦めします。読むだけでなく実践してみると思いのほか簡単で、理解も早まります。

UbuntuXP化計画 1 2 3 4  番外LubuntuXP化計画 1 2 3

ページトップへ
inserted by FC2 system