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Ubuntu Studio 12.04 (5) Rosegarden編 -2

前回は、“Rosegarden”の大まかな入力方法を記載しました。
今回は、もう少し詳しい方法をサンプル曲を入力しながら試してみましょう。

楽曲には、曲が何のような曲であるかを指し示すものがあります。
例えば、テンポがあります。テンポ80の曲をテンポ160で演奏したとすると80と160の違いで曲の感じは全く違ってしまいます。作曲者がテンポを指定していない場合は何の程度の早さで演奏して良いかわかりませんね。作曲者が意図した曲風とはならない事が生じますね。また自分が作曲した曲にテンポを指定していないと自分の意図した通りに演奏してもらえないでしょう。(実際にはテンポ指定のない楽譜も多くあります。知っている曲ならそれに合わせたテンポで演奏します。そうでない場合は、メロディーから連想されるテンポで演奏するとよいでしょう。(この場合はテンポアレンジになる?))

この様に楽曲(楽譜)には、音符や音の強弱等以外に指定しなければならない重要な項目があります。
最初に最低必要な項目を曲頭で指定します。

最低次の4つの、テンポ、拍子、音部記号、キー(調)の指定は、曲頭で行わなければなりません。

早速、テンポ、拍子、音部記号、キー(調)の設定を行いましょう。

テンポの指定。



図18

メニューの“コンポジション”→“店舗変更の追加”(カーソルを先頭にしておいてください。)


   

図19

上図の赤下線部でテンポを指定して、「OK」


拍子の設定
何拍子の曲とか、○/○拍子とか聞いたことがあると思いますが、これは、1小節に、何分音符(分母)が幾つ(分子)在るかを示しています。




図20

上図の上の下線部(分子部)で拍数(分母で示す音符が1小節に幾つ在るか)を示し、下の下線部(分母)で、何分音符を基準にするかを決定します。
決定して「OK」


    

図21         図22

図20で決定すると5線部の始まりに図21の様に表示されます。図20で“□ コモンで表記”にチェックがあると、図22の様に表示されます。
図22では、4/4の代わりに“C”が表示されていますが何方も意味は同じです。
Cと表示されているのは、昔は3が完全なものとされ、3の代わりに“○”が使われたようです。4は、3ほど完全なものではないが、やや3に近いので“○”の代わりに円周の一部が切れた“C”を使ったようです。2は4の半分なので、Cに縦線の入った物を使用したようです。


音部記号の指定。



図23

上図の様に“セグメント”→“音部記号の追加”


  

図24

上図の4つの三角で選択します。
下側三角の下に現在の音記号が表示されています。
決定したら「OK」

音部記号には、ト音記号(上図の五線譜の記号)、ヘ音記号、ハ音記号などがあります。
昔の古い音名の呼び方が使われています。

A=ラ=イ、B=シ=ロ、C=ド=ハ、D=レ=ニ、E=ミ=ホ、F=ファ=へ、 G=ソ=ト

A、B、C・・と言う呼び方は英国式です。
ラ、シ、ド・・この呼び方はイタリア式です。
イ、ロ、ハ・・という呼び方は和式です。

現在では、イロハ・・と言う音階の呼び方をすることはありませんが、音部記号、調号(キー)、その他の記号などに昔の呼び方が残っています。

ト音記号は、現在なら“ドレミ”のイタリア式で例えるなら“ソ音記号と言うことになりますかね。”
何故ト音記号というか?。ト音記号の渦巻きの中心に有るのは第2線のソの音、つまり昔式なら“ト”音ということになります。従ってト音記号の書かれている楽譜は、渦巻きの中心の音階は“ソ=G”であることを示しているわけです。

同様に“ヘ音記号”なる記号もあります。これは、ヘ音記号の始まりの音が“ヘ=ファ”であることを表しています。
其の他にも“ハ音記号”なるものもあります。これは、記号の中心が“ハ=ド”であることを示しています。ハ音記号は、楽器によってハ音記号の書かれる位置が上下します。

ト音記号は、通常の楽譜で用いられます。

ヘ音記号は、2段ピアノ譜の下側や、ベース譜で用いられます。またドラム譜でも用いられる場合があります。


キー(調)の指定。

図23の様に“セグメント”→“キーチェンジの追加”




図25

左右の三角、又は、上図なら「A」「短調」ボタンで選択します。
キー(調)の説明は長くなりそうで面倒なので、当サイトのWindows関連の“ミニスタジオを作ろう”の調号・スケール関連を参考にしてください。




図26
テンポと拍子は、テンポエディタ確認できます。この時、時間を見て曲頭に記入されていることを確認してください。
例)上図の時間の“001-01-000”は、001=1小節目、01=1拍目、000=最初(000の表示はアプリの分解能による)に書き込まれていることを示しています。


サンプル曲の入力
此処でサンプルとして取り上げる曲は、“星のささやき”と言うフランス民謡です。
8小節の短い曲ですが、とてもきれいな曲です。テンポは86〜90位のゆったりしたテンポで演奏すると良いです。

1回目は、メロディーとコーラスのみのシンプルな構成で曲のメロディーラインのみです。
メロディーの美しさを聞いてください。
2回目は、1小節のドラムを挟んで、1回目と同じメロディーラインで進行します。2回目はメロディーの他に、ピアノのコードバッキング、ストリングスによるパッド、ベース、ドラムを追加します。
ストリングスパッドは、少しだけ聞こえる程度の音量設定とします。

トラック1の入力。
トラックエディタのトラック1の2小節目から9小節の終わり(10小節の前まで)まで空小節を作成します。
エディットモード(鉛筆アイコン)でとらっく2〜9小節の終わりまでドラッグすると空小節が作成されます。



図27-0 (上図は、10〜18小節の例です。)


其れでは、メロディーを入力してみましょう。

空トラックをWクリックするか、スコアエディタモードアイコンで、スコアエディタを開きます。
(Wクリックでスコアエディタを開くには、標準エディタの設定がスコアエディタになっていなければなりません。デフォルトで、スコアエディタになっています。)

最初に、テンポ=90、4/4拍子、ト音記号、ト長調(#が1つ付く)と設定します。

テンポ指定は上記の最初に指定する1回のみです。曲中でテンポ変更する以外は設定しないでください。
複数のトラックを作成する場合でも、最初に1トラックに1回指定すれば良いです。他のトラックには設定しないでください。
拍子は、各トラックの5線の先頭で1回指定するば良いです。(曲中で拍子変更する場合は、その場所に記入。この場合は、全てのトラックで同じタイミングで拍子変更をしてください。)
ト音記号は、5線の先頭で記載しますが、途中で5線が切れて空白箇所がある場合は、次の5線の先頭にも記載します。
また、同一トラック内では、音部記号(ト音記号など)は音域によって、ヘ音記号などを使用してください。
キー(調号)の指定は、ト音記号(音部記号)の次に配置されますが、同一トラック中に空白部分がある場合は、次の五線の先頭でも指定してください。曲中でキーが変わる場合は、その他のトラックも同じタイミングでキーを変更してください。

参考)付点音符の入力方法。

       

図27-1      図27-2

上図27-1で音符を選択しますが、付点音符を入力したい場合は、上図の丸印アイコン(+・)をクリックすると、その下方の音符が“.”(付点)付き音符(図27-2の下側丸印)に変わるので、其処から音符を選択します。
付点付き音符でない通常の音符にしたい場合は、図27-2の上側丸印アイコン(−・)をくりっくすると、図27-1の下側の様に付点無し音符に戻ります。


音符の入力。



図28-1

上図の様に、トラック1の2小節目から5小節目までを打ち込んでみましょう。
2小節目と5小節目の最初の音符には、“.”がついていますので注意を!。
3小節目の終わりは4部休符となっていますので、3小節目の(G)4部音符(5小節目は付点2部音符)を打ち込んだら、“→”キーで次の小説に移動します。




図28-2

6小節目から9小説目までを打ち込みます。


再生してみましょう。



図29

上図の左から3番目の横向き三角で再生開始。
停止は、“■”。
先頭に戻って再生するには、1番左の“|+▼(横向き)”をクリック。

ここでの再生では、音色の指定をしていませんのでピアノの音で演奏されると思います。
音色変更については後で記載します。此処では音の確認ですので、ピアノの音のままで良いでしょう。


トラック2の入力。
続いて、コーラス部を入力してみよう。
スコアエディタが開いていると思いますが、スコアエディタを閉じてください。

上記のトラック1で行った様に、トラック2に2〜9小節までからトラックを作成します。

スコアエディタを開きます。




図30 (上図は調号が抜けています。)

音部記号(ト音記号)、キー(調号。今回は、ト長調(#が1つ付く))
上図は調合の設定を忘れています。ト長調(#が一つ)に設定して下さい。
拍子は4/4に設定してください。
なお、テンポはトラック1で設定しているので、ここでは設定しないで下さい。(以降のトラックの場合も同様に設定しないで下さい。)

続いて各音符を入力します。



図31

同様に残りを入力します。

再生してみましょう。


音色(おんしょく。ねいろでは無く。)を変更してみましょう。

スコアエディタが開いている場合は閉じておいて下さい。



図32

変更したいトラックをクリック選択します。
上図では、トラック1が選択されています。右側のトラックの“<無題>”と表示されている部分の色が違いますね。
左ペインを下にスクロールすると上図の様な表示があります。

インスツルメントパラメータの項目に、プログラムという項目があります。ここで音色変更を行います。
曲の再生開始します。
上図下線部をクリックし、表示されてリストから音色を選択します。
いろいろ変更してみましょう。再生中は直ぐに変更が反映されます。
なお、上図の矢印1の様に青のランプが消えているトラックはミュート(消音)され音は出ませんので注意をしましょう。多数のトラックがある場合は、必要なトラックのみ点灯させて音の確認をしましょう。(soloが無いのは辛いかも?。)
此処では、“97.Rain”を選択してみました。


トラック音量とパンの変更

上図下部の音量でトラックの再生音量を設定します。ボリュームアイコン上から上にドラッグすると音は大きくなり、下にドラックすると小さくなります。

今のところトラック1と2しかありませんが、トラック数(楽器数)が増えると、すべてセンターから出音(モノラル状態
)していると、音量を調整しただけでは、各楽器が被ってしまい楽器によっては良く聞こえない場合があります。その場合は、パン(定位)を変更するだけで被りが取れることがあります。
今回は、今のところ2トラックのみですが、パンを変更してみましょう。選択した音色では、団子になりやすいですね。
トラック1(メロディー)のパンを左右どちらかに少し振ってみましょう。
トラック2(コーラス)は、トラック1とは反対方向に少し大きめに振ってみましょう。
其々のトラックの音量とパンを微調整してみましょう。
最初よりずっと聴きやすくなったでしょう。


セグメントラベルの変更



図33

上図のトラック1や2の右側に入力したデータが表示されていますが、このトラックに入力したデータの塊の部分をRosegardenではセグメントと言っているみたいです。(多分?)
このセグメントの先頭にどの様な楽器を使っているか表示されていますね。(上図右側下線部)
音色を変更した場合は、どの音色(楽器)を使用しているか明示しておくと解り易いですね。
セグメントラベルを変更してみましょう。
上図のセグメントパラメータのラベルの項目を変更します。
入力する場合に図32で音色を変更しましたが、この時音色が日本語表示されている場合に、同様に日本語名でラベルを入力すると、上図のラベルの横にも表示されますが、この表示が文字化けしてしまいます。それなので英字入力しましょう。(若しかしたら、設定変更すれば正常に表示されるのかもしれませんが、確認していません。)

セグメントラベルの変更方法。
上図のラベルの右側の「編集」をクリック。



図33

上図が表示されるので、入力欄にラベルを入力して「OK」。

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