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Ubuntu Studio 12.04 (4) Rosegarden編 -1

今回は、Ubuntu Studioの場合は標準でインストールされている“Rosegarden”を試してみます。
Rosegardenは、DAWです。(MIDI・オーディオシーケンサーと言った方が良いのかも?。)

今回紹介するのは、RsegardenのMIDIシーケンサーの部分のみです。
(Rosegardenはオーディオファイルも扱えるようですが、今回は試していません。)

なおRosegardenのみでは音を出すことが出来ません。
(若しかしたら、プラグイン等を導入すれば可能なのかもしれませんが、今回は其処まで検証していません。)
と言う事で、音を出すためにはソフトウェアシンセ等が必要となります。

勿論、ハードウェア音源でも良いのですが、MIDI接続の場合は、USB-MIDIインターフェースが必要となりますが、ドライバー等の関係でLinuxの場合に、動作するUSB-MIDIインターフェースは少ないようです。(手持ちに5種類程のMIDIインターフェースがありますが、まだ検証していません。)

USB接続タイプのハードウェア音源の場合は、機種によってはドライバーが標準である場合が有る様です。例えばUbuntuの場合は、YAMAHAの「MU500」については標準でドライバーが用意されているようで、USB接続をすればドライバーが読み込まれ使えるようになる様です。

取り敢えず此処ではUbuntu Studioに標準でインストールされている“Qsynth”を音源として使用してみましょう。

今回使用するアプリは、Ubuntu Studioの場合は標準でインストールされていますが、“Rosegarden”と“Jack Keyboard”はインストールされていませんので、Ubuntuソフトウェアセンターで“rosegarden”及び“jack-keyboard”と検索してインストールしましょう。
Ubuntuやその他のディストリの場合は、“qsynth”、“jack-keyboard”、“qjackctl”、“rosegarden”等と検索してインストールして下さい。(例えば、Ubuntu12.04LTSの場合は、上記で検索インストール出来ました。)
なお、Qsynthをインストールすると、JackやQJackCtlも一緒にインストールされるみたいです。(確認していません。)

参考)
PCからのオーディオ出力について。
今回は、入力については使用しませんので出力のみ考えれば良いです。
PCのステレオミニジャックの出力をミニスピーカーなどにつないでいる場合は、USBオーディオインターフェースを接続して、出力をステレオ装置に接続してみましょう。とても良い音になりますよ。
ただし、重要な注意事項が有ります。それは曲が完成するまでは、極力小さな音量でモニターしながら曲作りをしましょう。それは、曲づくりの途中でベロシティや音量を間違えて突然大きな音が出るのを防止する為です。(大音量で曲作りをしていて、音量を間違え、とてつもない音量で再生をすると、最悪SPが破損します。)


必要なアプリを起動しましょう。



図1

最初にRosegardenを起動します。
次にQsynthを起動します。
其の後にJackKeyboardを起動します。
RosegardenかQsynthを起動した後にJackKeyboardを起動してください。
最初にJackKeyboardを起動しようとすると、エラーで起動できません。
最後にQjackCtlを起動します。
(雑誌などで、QjackCtlを最初に起動するように紹介されていましたが、私の試した限りでは最後に起動したほうが良かったです。もし最後に起動して不具合が生じる場合は最初に起動してみてください。)

此処からは、各アプリの接続や設定をしていきます。



図2

最初にQjackCtlから設定しましょう。

上図番号2のSetupを開きます。
「Settings」タブを開きます。
画面左最下にある“MIDI Driver [ none ]”となっている所を、[seq ]にして「OK」します。

上図の様に「
Stop」とハイライト表示され、表示窓の左上に“Started”と表示されている場合は其の儘で良いですが、「▼Start」がハイライト表示され、Stop」がグレー表示の場合は「▼Start」ボタンをクリックして起動し、上図の様に表示窓の左上に“Started”と表示されれば良いです。

参考:“Started”の表示について。)
現在私の使用している状態では、“Started”とは表示されず、“Active”と表示されています。確かに最初は“Started”と表示されていましたが、現在では“Active”と表示されています。この状態でも問題なく使用できています。若しかしたら、次図で示す「Connect」の設定後に、保存したためこうなったのでしょうか?。詳しいことは分かりません。(Connectの設定保存は、「Patchbay」を開いて行います。)


参考:QjackCtlがエラーで起動できない場合。)
表示窓に“Started”と表示されずに、エラーが表示されて起動っできない場合は?。
「Setup」を開き、「Settings」タブを開きます。
左上の“Parameters”の“□ Realtime”のチェックを外します。
“Audio”の項目で「Playback Only」を選択します。
以上の設定後に再度「▼Start」をクリックすると、上図の様に起動できる様になるようです。
上記でも起動できない場合は、更に「Latency」の項目の「Frames/Period」や「Periods/Buffer」の数値を大きくしてレーテンシーを増やして再起動するとQjackCtlが起動出来る様になるみたいです。(エラー表示されず正常に起動してしまうので確認できていません。)レーテンシーを増やすとタイムラグが大きくなりますが安定性は良くなります。

上図番号1の[ Connect ]ボタンをクリック。



図3-1

上図の様に「Connect」が開きます。
上図は、「MIDI」タブを開いた場合です。
設定方法は何のタブページでも同じです。
1:左ペイン(出力やコントロールする側)で接続したい箇所をクリック選択。
2:右ペイン(入力やコントロールされる側)で接続したい箇所をクリック選択。
3:「Connect」クリック。

    「MIDI」
     
     図3-2
     上図の様に左右ペインの指定箇所が線で結ばれます。

    「Audio」タブ
     
     図3-3

    「Alsa」タブ
     
     図3-4
 参考)
上図3-2では、“System”が表示されていますが、どういう訳か最近表示されなくなってしまいました。ので、KeyboardをSystemに接続できません。この接続をしないと、Keyboardを押してもQsynthにMIDIデータが届きませんので音が出ません。
色々試してみましたが、復旧しません。(どうもアップデート後おかしくなった様な気がします。)
しかし、何とかキーボードを機能させなければなりません。
取り敢えず、JackKeyboardは諦め、Ubuntu Studioでは標準インストールされている“Virtual keyboard”を使うことにします。


 図3-5
Virtual Keyboardから、rosegarden及びFLUID Synth(qsynth)に接続します。
(若しかしたら、MIDI Throughにも接続が必要になるかも。)
上記のように接続すれば、キーボードをクリックすると、Qsynthから音が出るようになります。
どうもLinuxは不安定ですね。

4:間違えて接続した場合は、左右ペインで外したい箇所を選択後「Disconnect」をクリック。
  (Dis・・Allの方は全ての接続を外します。)

5:接続したり外したりを繰り返していると、接続を外しても接続線が消えなくなることがあります。その場合は、「Refresh」をクリックすると、接続線が消えます。


Qsynthを設定しましょう。



図4

“Soundfont”の設定をします。
上図の1の「Setup」をクリック。



図5

1:「Soundfonts」タブをクリック。
2:「Open」をクリック。




図6

1:“FluidR3_GM.sf2”を指定。
2:「開く」をクリック。




図7

上図の様に表示されます。
「OK」クリック。




図8

Warningが表示されますので、「はい」をクリック。




図9

テストをしてみましょう。
1の鍵盤上をクリックすると、音が出ます。
鍵盤をクリックすると、2のアクセス(MIDI入力が有る)ランプや3のレベルメータ(発音レベル)が光ります。
4を変更すると、鍵盤の押した強さを変えられます。
5でMIDIチャンネルやオクターブが変更できます。(JackKeyboardでは必要ないですが、PCのキーボードの場合使用します。)

音が出ない場合?。
1:上図の2や3が光らない場合。
QjackCtlの表示窓に、Stopedと表示されている場合は、「Start」をクリックして起動させてください。
表示窓に“Started”(又はActive)と表示されずに、エラー表示で起動できない場合は、前記の“参考:QjackCtlがエラーで起動できない場合。”を参考にしてください。
QjackCtlの「Connect」の接続設定を見直しましょう。

2:上図の2や3が光る場合。
QjackCtlの「Connect」の接続設定を見直しましょう。
「Connect」の接続設定以外にも、Qsynthのボリューム、PCのボリューム、PCからの音声再生機器の接続具合、接続機器のボリューム等のPCアプリのボリュームからPC接続機器のボリュームなどを調べて下さい。
また、オーディオ出力をUSBオーディオインターフェースを介して出力している場合は、USB機器の動作確認も行ってください。


音が出っぱなしになってしまう。?
何らかの理由で音が出っ放しになってしまう場合が有ります。
1:「QjackCtl」の「Connect」設定を間違えて、余分な場所を接続して、接続がループしてしまうばあいがあります。
この場合は、キーボードを引くとキーを連弾したような状態になり、発音が止まらなくなります。
これを解消するには、「Connect」で、ループしている接続を「Disconnect」します。
どれだか解らない場合は、「Audio」、「MIDI」、「Alsa」タブ其々で、「Disconnect_All」をクリックして、接続をすべて切断し、その後其々を再接続してください。

2:再生中に他の操作を行った場合などに、音が出っ放しになってしまう場合が有ります。
この場合は、Qsynthの「Panic」ボタンをクリックしてください。
若しくは、ロケーターの左端のボタン(先頭に戻すボタン)をクリックしてみて下さい。


Rosegardenを使う。

其れでは、今回のテーマとなっている“Rosegarden”を使用してみましょう。

Rosegardenで音が出ない場合は、QjackCtlの「Connect」の設定によるものと思われます。「Connect」設定を見直してください。
もし、今まで出ていて今回でなくなった場合は、Rosegardenのみ再起動して、「Connect」設定を行ってみてください。



図10

上図はRosegardenを起動した画面です。

1:ピアノロールエディタを開きます。
2:ドラムエディタを開きます。
3:スコアエディタ(音符入力)を開きます。
4:イベントリストエディタを開きます。
5:ロケーター部。再生・停止・録音・早送り等を行います。
6:9で示すデータ表示部分の拡大縮小表示を指定します。
7:小節番号です。
8:トラックです。
9:各トラックのデータの有る場所を表示します。何らかのデータがある場合は、9の直ぐ上のように表示されます。
10:選択アイコンです。
11:書き込みアイコンです。データを書き込む場合は此れを選択。
12:消去アイコン。不要なデータを削除します。
13:移動アイコン。選択したデータを移動します。(ドラックすると移動できます。)
14:データ範囲を拡大縮小します。
16:各種パラメータの表示場所です。
17:MIDIミキサーを開きます。
18:ミュートボタン。この場所のランプが消えていると其のトラックは音が出ません。
   Rosegardennには、Soloボタンはありませんので、ミュートボタンのみで行います。
19:録音ボタン。




図11
 
Rosegardenで音データを入力する方法には、ピアノロールエディタ、ドラムエディタ、スコアエディタ、イベントエディタがあります。
是等のうち、ドラムエディタは名前から分かるようにドラム・パーカッション専用のエディタです。
今回は、スコアエディタ及びドラムエディタを使用します。
スコアエディタよりピアノエディタの方が細かなタイミング調整やデュレーション(ゲートタイム・発音する時間)などの調整が行い易かったり、また慣れると結構早く入力出来ます。しかし、説明を記載したり、市販楽譜を入力する場合は、スコアエディタ(音符入力)の方が解り易いと思うのでスコエディタでの入力方法を記載します。

其れでは入力してみましょう。

1で示すトラックにデータを入力します。
2で入力モードに切り替えます。
3で示す丸印辺りをクリックすると、3の様に何か四角い枠が表示されます。
 この枠内をクリック選択します。
4でスコアエディタ(音符入力編集)を開きます。




図12

上図はスコアエディタが開いたところです。

1:スクロールバー
2:全面(左上大きな□)、縦(上右縦長□)、横(左下横長□)で其々の方向のズームアップ・ダウンができます。
3:小節番号
4:5線部カーソル。
5:ビート(拍)目盛り。この場所をクリックしてもカーソル移動ができます。  
6:音符入力カーソル。
7:音長指定。(全音符から64分音符まであります。)
8:補助記号解除。
9:記入モードアイコン。


音符を入力してみよう。
上図の9をクリック選択。(入力モードとなる。)
上図の7と8を選択。(4分音符を選択。)


 

図13

上図の様にオタマジャクシの丸の部分あたりでクリックすると上図の様に表示されます。
位置が違っていた場合は、「Ctrl」+「Z」を1回押すと元に戻ります。(アンドゥ。元の音符のない状態)
 メニューの編集のアンドゥやメニューアイコンのアンドゥでも同様です。
 「Ctrl」+「Z」はキーボードの「Ctrl」キーと「Z」キーを同時に押します。
   (先に「Ctrl」キーを押しておいて、「Z」キーを押した方が良い)

 上記の間違いを修正する方法には、上記ショートカットキー以外にも、次の方法があります。
  1:図12の9のアイコンの右隣にある消しゴムアイコンをクリックして、間違えた音符上でクリックして削除。
    再度、音符を入力し直す。
  2:図12の9のアイコンの左隣のアイコンをクリックする。(選択モードになる。)
    位置を修正したい音符をドラッグ移動して位置修正を行う。


  

図14            図15              

図14の様にD音を入れます。もし図15の様にずれてしまったら、「Ctrl」+「Z」でやり直すか、選択モードでドラッグして修正しましょう。




図16

上図の様に入力してみましょう。

再生してみましょう。
図12の右上にある、“▼”(横向き三角)をクリックして再生してみましょう。




図17

和音の入力もできます。
図16の音符の上の5線上に入力していきます。

PCキーボードから和音の入力は?。
上図では、マウスで入力しましたが、PCキーボードでも入力する事ができます。
特に和音の入力は、とても楽に行う事が出来ます。




図17

上図の、“コード挿入モード”にしておくと使用できるようになります。また、図12の7の音符選択列の下の方にある上下に音符の重なったアイコンをクリックしても同様に行えます。

コード挿入モードにしておくと、PCキーボードから図17様に簡単にコード入力ができます。

コード入力に限らず、単音でもPCキーボードから入力すると簡単に入力できます。
なお、PCキーボードからの入力場所は、例えば図16で表示されている縦の青色カーソルの場所になります。
カーソルの移動は、PCキーボードの[←][→]キーで行なえます。

PCキーボードからの音符入力手順の確認。
トラックを選択して、スコアエディトモードにします。
音符を入力したい位置にカーソルを移動します。
数値キーで音符長を選択します。
入力したい音階のキーを押します。

上記は大雑把な感じですので各自色々な方法がありますので研究しましょう。

次回は、具体的にサンプル曲を打ち込んでみましょう。

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