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Ubuntu Studio 12.04 (6) Rosegarden編 -3

前回は、サンプル曲とした“星のささやき”のメロディーとコーラス部分を入力しましたが、今回は、残りのベースやドラムを打ち込んでみましょう。

若しかしたら、今回の曲は馴染ものない方も居れるお思います。
そこで、1回目の演奏は、メロディー(コーラス部も含む)のみ演奏し、2回目の演奏で他のコードバッキングやベース、ドラムを演奏するようにしましょう。

まずは、メロディー(トラック1)とコーラス(トラック2)の2回目の演奏用データを作成します。
とは言っても、最初に打ち込んだメロディーとコーラスは、多少のアレンジを加えるにしても、既にあるものをコピペした方が早いですね。アレンジする場合はペースト後のデータをアレンジしましょう。(今回はサンプルですので、そのまま使用しますが、アレンジを行い方は各自で行って下さい。)

其れでは、トラック1と2の2小節から9小節までを其々のトラックにコピペしてみましょう。




図1
トラックエディットモードで、上図の1を選択して、“選択モード”にしておきます。
1:選択モード
2:書き込み(入力)モード
3:消しゴム(削除モード)




図2

トラック1のコピー元となる場所をクリックして選択しておき、その場所で右クリックすると上図が表示されるので“コピー”をクリック。




図3

コピー先となる11小節目の先頭にカーソルを合わせておき、11小節目の頭付近で右クリックをして“貼り付け”をします。(注意:上図は10小節目から貼り付けていますが、11小節目から貼り付けて下さい。)

この、コピー・貼り付けは、右クリックでなくとも、メニューの“編集”からも行なえます。

また、キーボードのショートカットを使う場合は次のとおりです。
コピー:[Ctrl]+[C]
ペースト:[Ctrl]+[V]
切り取り:[Ctrl]+[X]
元に戻す:[Ctrl]+[Z]

同様にトラック2も2小節から9小節までを、11小節から貼り付けてください。


ドラムを入力。

MIDIシーケンサー、ソフト音源、シンセサイザー、外部音源などDTMを行うための機材は色々あります。トラックとMIDIチャンネルは違うものですが、通常トラック1にはMIDIチャンネル1、トラック2にはMIDIチャンネル2と言う具合に、機器のデフォルト設定ではトラックとチャンネルが同じ番号で割り当てられていることが多いです。
(トラックとチャンネルを同じにしておくと間違いにくいですね。)
そしてトラックやチャンネルの10には、ドラムが割り当てられていることが多いです。
それに倣って、トラック10をドラムトラックに割り当てることとします。
また、Qsynthのチャンネル10はデフォルトでドラム音源が割り当てられています。

参考)
どの様なドラムやパーカッションの音色が有るか確認してみましょう。
JackKeyboardのChannelを10にしてキーボードをクリックしてみましょう。
キーボードの両端の方でクリックしても音の出ないところは、割り当てられていません。また割り当てられていても音量が非常に小さな場所もあります。(殆んど音がしない。)
出来れば、どのキーに、どの音色が割り当てられているか確認しておきましょう。特に使用したい音についてはメモをしておきましょう。(QsynthとRosegardenのドラム音色のキー割り当てが同じとは限りません。未確認。)


ドラムトラック(トラック10)に、図3の様に10小節から18小節まで空トラックを作成しておきます。
メロディー等は11小節からです。10小節目はドラムトラックでのみ使用します。




図4

トラック10に作成した空小節をクリック選択しておいて、上図の丸印アイコンをクリックして、ドラムエディタを開きます。




図5

上図が表示されます。(まだデータ入力前なので上図のソロバン玉(菱形)は表示されていません。)

上部の“グリッド”を[1/16]を選択しておきます。

10小節目に上図と同じ位置でクリックして、其々のデータを入力。

音色(楽器)は、左から2つは“Side Stick”、右の4つは“Acoustic Snare”です。
上下位置が違うと楽器が変わってしまいます。また、左右位置が違うと発音タイミングがずれます。

図5を入力したら、カーソルを8〜9小節に合わせて(小節番号が表示されている直ぐ下のグレーの拍が表示されている場所をクリックするとカーソルが移動。)再生してみましょう。

ドラムのサイドスティックはともかく、スネアの連打は少しというか、物凄く変ですね。




図6

上図の様に各音を右クリックすると、上図が表示されます。
ノートベロシティを設定して「OK」します。
ベロシティの設定地は、左から順に、110、110、100、70、105、80位に設定してみてください。
少し人間が叩いている様になったでしょうか?。

各自、色々試してください。
フラムやロールなどを入れる方法もあります。また今回は10小節の1小節だけですが、2小節に増やして(増やした場合は、他のトラックも2小節分の空き小節とします。)音数を増やしても良いです。タムなども入れてもいいですね。各自色々試してみましょう。
また、此処で全て決定するのではなく、此処では大まかなデータを入れておき、次のドラムデータや曲全体のデータを入力し終えてから、曲を聞きながら修正したほうが良いでしょう。

残りのドラムデータを入力しましょう。



図7

図5でグリッドを「1/16」にしましたが、此処からは、「1/8」にしておきましょう。
11小節目から、上図のタイミング(横位置)でクリックしてデータを入力。

11小節目からの音色(楽器)は、下から、BassDrum1、AcousticSnare、PedalHi-Hat、Maracasです。

PedalHi-Hatの部分はClosedHi-Hatを使用し、Maracasは要らないのですが、ClosedHi-Hatはベロシティや音量に関係なく音が出ませんでした。そこで、PedalHi-Hatで代用し、更にClosedHi-HatっぽくするためMaracasをかぶせてみました。

なお、ドラムトラックのインスツルメントプロパティで音量調整してもドラムトラック全体の音量が変わるだけですので、各楽器の音量を調整したい場合は、ベロシティで調整してください。

参考)私は、ドラムの各楽器毎にボリューム調整をしたい場合は、楽器毎にトラックを作成しています。
Windowsで市販DAWを使用して作成することが多いのですが、その場合はドラムマシン(R-7やRX-7等)のパラアウトで出力し、ミキサーでミックスダウンしています。この方法は、トラックを楽器毎に分けなくても良いので便利です。




図8

上記同様に15小節目から終わりまで入力。
(画像のバスドラム(最下行)が半分しか表示されていないので見にくいです。)

其々の音数を増やしたり、減らしたり、またフィルやシンバルを入れたりと色々な事が出来ますので、各自試してください。(とは言っても、たった8小節しかないので、3回目の繰り返しも行うと良いでしょう。)



ベースを入力。

ベースはトラック8に入れたいと思います。
トラック8に11〜18小節の空小節を作成します。
空小節をクリック選択しておき、スコアエディタを開きます。

音部記号などの設定。


  

図9               図10

図9の様に▼でト音記号の下に“15”と表示されるように2オクターブ下げます。
(▼の下に“ト音記号2オクターブ下げる”と表示されます。)

本来のベース譜はヘ音記号で書かれますが、コード(和音)やスケールに余り詳しくない方は、ト音記号での楽譜の見方に加えて、ヘ音記号の見方も覚えるのは大変でしょうから敢えてト音記号で記載しました。(とは言っても、そんなに難しくはないんですが!)

ヘ音記号が分かる方は、ベース譜ですので本来のヘ音記号を使用してください。
上図の左右の横向き▲でヘ音記号などが表示されます。

キーはト長調(#が1つ)にしてください。(上図10を参照。)
拍子も記載すべきですが、途中の小節ですので省略しても良いでしょう。

バンド譜等として完成譜として作成する場合は、最初(1小節目)に音部記号、調号、等と共に拍子も記入し、演奏が始まる小節までは休符とします。




図11

上図の様に入力しましょう。



コードバッキングを入力しましょう。
トラック3に入力します。
今までの各トラックのように音部記号などの設定をします。(キーは、ト長調に設定。)



図12

上図の様に、入力します。


パッドを入力してみましょう。
上記までの音数では、何となく寂しい。もっと豪華にしたい。等と思うときは、パッドを入れるのも一つの手段です。




図13
トラック4を設定(調合など)して上記を打ち込みます。
タイやスラーの入力方法は後述。取り敢えず音符のみ入力してください。




図14
こちらは、トラック5を設定(調合など)して上記を打ち込みます。
タイやスラーの入力方法は後述。取り敢えず音符のみ入力してください。


タイやスラーの入力。
タイ(上図で横向き“(”見たいなやつ)やスラーは見た目は同じです。音符の上下位置によって、上向きと下向きがあります。

タイとスラーは見た目は同じですが、同じ音程同士を結ぶのがタイで、最初の音は発音しますが、次以降の音は発音せずに、次以降の音符の長さだけ伸ばします。(タイで繋がっている音符の拍分伸ばします。)

スラーは、音程の違うものどおしを結ぶもので、スラー内の音は其々発音しますが、滑らかに演奏させるものと思ってください。




図15

スラーやタイで結びたい音を、ドラッグ選択します。




図16

右端側から、スラーなら上図上側、タイなら上図下側をクリックして設定します。
なお、13/14図はタイやスラーの設定途中の画面です。各自良いと思うタイやスラーを設定してください。


トラック名の変更。



図17

トラック名はセグメントラベルとは違って、トラックに表示する名前です。(上図矢印部分)
初期設定では、“<無題>”と表示されています。

トラック名には、楽器名等を表示して、其のトラックは何の様な使用方法なのか解る様にしておくと良いでしょう。

入力方法

上図のトラックラベルの“<無題>”の部分をWクリック。




図18

上図が表示されるので、入力して「OK」。

以上で大体のデータが入力を終えました。

この後は、ボリュームやパン設定を行いましょう。
各トラックをエディタで開いて、ベロシティ等や発音タイミングなどの調整も行うべきですが此処では省略します。

各トラックの、インスツルメントパラメータでパンと音量の調整をしましょう。

トラック1のメロディのパンはセンターか気持ち左右に振ります。
トラック2はトラック1でパンを何方かに振った場合は反対側に気持ち大きめに振ります。(トラック1がセンターの場合は、好みで左右のどちらでも。)
トラック1と2が余り団子にならないようにしましょう。

トラック3はピアノのコードバッキングとしましたが、好きな音色に変更して良いです。
パンは、トラック2とは逆の方に振ったほうが良いかもしれません。
音量は、トラック1と2をマスキングする事のない音量にして下さい。

トラック4と5はパッドとして入れましたのが、トラック4のパンは大きく右に振りましょう。(右最大でも良い。)
トラック5のパンはトラック4の反対側に振りましょう。
トラック4と5の音量は、極薄くしましょう。

トラック8のベースのパンはセンターで良いのですが、バスドラムと被ってしまう場合は、音量調整と共にパンを僅かに左に振ってみましょう。

上記は再生しながら行いましょう。
音量とパンの調整を自分の納得の出来るまで行いましょう。
1つのトラックを調整すると、他のトラックも調整する必要が出てきます。
例えば、ある楽器をもう少し目立たせたい場合に音量を上げるだけでは、他のトラックのバランスが崩れ上手くいかない場合は、音量を上げるのげはなく、他のトラックの音量を下げたり、パンを変更してみてください。


参考)
細かな発音タイミングを調整する場合は、ピアノロールエディタを使用しましょう。拡大表示すれば結構細かなタイミング調整ができます。更に細かいタイミング調整を行いたいのであれば、イベントリストエディタを使用したほうが良いです。イベントリストエディタは多少MIDIの知識ないと使用できないでしょう。

細かなタイミング調整を行いたい場合に、スコアエディタでは、最小分解能音符までが限界となります。また、音符でタイミング調整を行う場合は、細かな音符をタイで繋いで行くため非常に面倒なことになり、楽譜として見る場合も見づらくなります。

細かな発音タイミング調整を行った場合、楽譜に記載できる範囲内であれば、発音タイミング位置を調整すると楽譜にも反映されてしまいます。楽譜として使用するためには非常に見づらいものと成ってしまいます。

楽譜を作成(印刷)したいのであれば、“GNU Denemo”や“Muse Score”等で楽譜作成したほうが良いかもしれません。(Muse Scoreは、もう一つという感は否めません!。Muse ScoreはWindows用もあるので以前試してみましたが、どうしてもSSWやその他のノーテーションソフトと比較してしまうため、今ひとつと見てしまいがちです。)
“GNU Denemo”Ubuntu Studioの場合、“Muse Score”は標準でインストールされています。

“GNU Denemo”や、Studio以外(例えば通常のUbuntu等)で“Muse Score”を使用する場合は、Ubuntuソフトウェアセンターで、其々“denemo”、“muse score”で検索してインストールして下さい。
“Muse Score”はスコア型MIDIシーケンサー見たいな位置づけの様ですが、“GNU Denemo”はノーテーションソフトとしての位置づけの様です。

“GNU Denemo”は使用した事がないので正確には分かりませんが、スクリーンショット画像(Ubuntuソフトウェアセンターの画像)を見る限りでは使い良さそうです。またスクリーンショット画像を見る限りでは、再生/停止ボタンらしきものをあるので、若しかしたら簡易再生もできるのかも?。
参考までに“GNU Denemo”の画像を載せておきます。



参考画像 “GNU Denemo”


以上で、Rosegardenの項を終わります。

サンプル曲の入力方法や曲構成等大雑把な説明で分かり難いと思いますが、曲構成等について記載すると、音楽理論等についても記載しなければならないため、今回は記載しませんでした。
音楽理論については、Windows関連ページの“ミニスタジオを作ろう”の項に若干の記載がありますので参考にしてください。(最近気が付きましたが“ミニスタジオを作ろう”のページに幾つかの記載ミスがありました。そのうち修正します。)

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