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小型ベアボーンPC(XS35V)でホームサ−バー構築 − 2

HDD自動マウントと共有の簡単設定(Ubuntu12.04LTSの場合)
前回は、ベアボーンPCの組み付けや各種設定等を行ないましたが、続けて、PC起動時のHDD自動マウントや共有設定を行います。

手順は、HDD自動マウント、共有設定、自動ログインの順に行ないます。
(前回行なった共有設定は、HDD自動マウント設定を行なうと無効になるため、共有再設定を行ないます。)
HDDの自動マウント

自動マウントさせたいHDDにフォルダーを作成して置きます。
(フォルダは後々使用しますので、解かり易いフォルダ名を付けて置くと良いでしょう。ファイルは、共有テスト用に適当なサンプル用のファイルを入れて置いてください。)

参考)端末での設定方法
自動マウントさせる方法は、“/etc”にある“fstab”に自動マウントさせたいデバイスを追加記入する方法が一般的の様です。
この場合は、端末での設定となります。

マウントポイントを確認する方法は、マウントしておき、端末で、
 〜$ mount
とすると

図1 (自動マウント予定のマウントしたHDDの部分のみ表示)

上記は、/dev/sdxn(xはデバイスでaとかbと表示。nは数値でパーティション番号)‥とデバイスで表示する方法です。

UUIDでデバイス指定する方法もあります。
この場合の確認は、
 〜$ sudo blkid
です。


図2 (blkid でのUUIDの表示。上図の表示例はデバイス部分のみ表示)

設定)
viで “/etc/fstab”と開きます。
fstab”の書式
[デバイス] [マウントポイント] [ファイルシステム] [マウントオプション] [dumpオプション] [fsckオプション]
マウントオプションは“defaults”、dumpオプション及びfsckオプションは、“0”で良いでしょう。
(間は、スペースで区切ります。)

実際に端末で“fstab”を書き換える方法は、他の方のページを検索・参考にして下さい。沢山見つかります。

此処では、なるべく端末を使わない方法でHDDの自動マウント・共有の設定をしてみましょう。

HDD自動マウント
1:PC起動時に自動マウントさせるHDD(パーティション)にフォルダを作成します。
  其処にサンプルとして使用するファイルを入れておきます。

確認
ホームフォルダを開きます。


図3
上図例では、“Data1_NTFS_500”と“Data2_NTFS_300”と表示されているパーティションを、PC起動時に自動マウントさせ、このPCはファイルサーバーとして使用するので、上記2つのパーティションに共有を設定します。
まだPC起動後のマウント前なので、上図赤丸印の様にマウントされている印は有りません。(自動マウントさせると、起動後は此処にマウント済みのマークが表示されます。)

2:Storage Device Manager

Storage Device Managerのインストール
Ubuntuソフトウェアセンターで、“Storage Device Manager”と検索


図4
上記をインストール。(上図は部分表示。既にインストール済みの場合の表示です。)

インストール終了後は、上図のように表示。

“Storage Device Manager”の起動

Dashで“Storage Device Manager”と検索して起動。
(途中まで入力で表示されます。)


上図が、“Storage Device Manager”が開いた画面です。

開いた当初は、左側ペインに“▼sda”とのみ表示され各パーティションは表示されていませんし、右側ペインにも何も表示されていません。
HDDを1台しか搭載していない場合は、上図の様に表示されますが、複数台、例えば2台搭載している場合は、“sda、sdb”のように2台表示されます。
上図の赤1をクリックすると、sda1、sda2、‥のように設定してあるパーティションが表示されます。

どのパーティションか解からない場合は、端末で“〜$ mount”を実行すると、マウントリストが表示されるので、ファイルマネージャーで、HDDをマウントした場合、マウントしない場合、其々で“〜$ mount”を実行し、リストの違いから判断してください。
若しくは、“GParted”を開いて、フォーマット形式、パーティションサイズ、パーティション名等から判断してください。
(1台目のHDDは“sda”で、2台目は“sdb”です。其々に設定してあるパーティション分の番号が添付されます。なお番号は1から順に全てが使われているとは限りません。)なお“GParted”は、まだ使用したことの無い方はインストールされていませんので、Ubuntuソフトウェアセンターでインストールして下さい。GPartedについては、“パーティション編集”の“Linuxでのパーティション操作例”の項をご覧下さい。“GParted”簡単な説明があります。


今回の自動マウント設定は、上図例ではsda3とsda4を設定します。
どちらから始めてもよいのですが、取り合えずsda4から設定して見ます。
(sda4を選択した時の画像しか無かったもので。どちらから始めても手順は同様です。)

上図の2をクリック。
上図右側ペインのように表示されます。
上図の3をクリック




上図が開きます。
赤1のみチェックを残し、赤2と3のチェックを外します。
[OK]をクリック。

前図に戻ります。
5の[適用]をクリック。
6の[閉じる]をクリック。

他のパーティションも設定したい場合は、自動マウントさせたい物を前図の2のように指定して、3と5を繰り返します。

再起動して自動マウントを確認します。



図10
再起動後にホームフォルダを開くと、上図の丸印の様に“▲”が表示されマウントされているのがわかります。

以上でHDDの自動マウントの設定終了

参考)
自動マウントを外すには。

設定の場合と同じように、前図の2まで進んだら、2つ前の図の7の[Remove]をクリック。
以上で、指定した物の自動マウントを外す事が出来ます。

共有設定
前述のファイルサ−バー構築 で共有を設定して使用しましたが、“Storage Device Manager”で自動マウントを設定すると前述の共有設定は無効となり、共有の再設定を行なわなければなりません。
前述で行なった共有設定の方法(ホームフォルダー(ファイルマネージャ))での共有設定は出来ません。これは、権限が無いため設定を行なおうとしても、エラー表示で設定出来なくなります。
では、どういう方法を取るかと言うと、ファイルマネージャを管理者権限で開いて設定を行ないます。

ここで、管理者権限でファイルマネージャを開くために、ちょっとだけ端末を使用します。

1:端末を起動します。
Dashで、“terminal”若しくは“tanmatsu”で検索して“端末”を起動。


上図は、端末(上)とファイルマネージャ(下)の両方を並べて表示しています。)

上図A 〜$ の後に、
 “sudo nautilus”と入力して[Enter]キーを押します。

“Password for ログイン名:”と表示されるので、ログイン時のパスワードを入力。
注)パスワードを入力しても何の変化もありませんが、正しく認識されていますので、パスワードを正確に入力して[Enter]して下さい。

上図のBのファイルマネージャが表示されます。

上図は、一般ユーザーでホームフォルダーを開いた場合と見た目は同様ですが、ここでは管理者権限で開いています。

参考)共通設定後に、端末を閉じるには、〜$ exit [Enter] です。

2:ファイルマネージャで共有設定
上図のB1とB2(左にsda3、sda4と表示)が、今回自動マウント設定した物です。
B1をクリックすると、B1-2が表示されます。
B1-2は、 “1:自動マウントさせるHDDにフォルダを作成します。”で作成したフォルダーでサンプルファイルが入っています。

B1-2のフォルダを右クリックします。

ショートカットメニューの“共有のオプション”又は、“プロパティ”→“共有”と進みます。

注意)
“samba”をインストールしていない場合は、共有設定時に“sambaがインストールされていないが、インストールしますか?”の旨のメッセージが表示されますので、メッセージに従ってインストールして下さい。




図13

1 にチェックを入れます。
2-1にもチェックを入れておいた方が良いでしょう。(入れておかないと読み出し専用になってしまいます。)
2-2 は、ゲストにもアクセスさせたい場合は入れますが、使用状況に合わせて設定してください。。
3 [共有を作成]をクリック。

他にも共有させたい物が有る場合は、同様に前図のB(上記例ならB-2を選択)から上図の3まで設定を行ないます。


3:共有の確認


図14
共有を設定したフォルダには、上図の番号1のアイコンように、“
”の矢印が添付されます。
次回起動時から、共有アイコンが表示されず、通常のアイコンが表示されることがありますが、共有は設定されています。

おまけ
以上で殆どの設定は終了しましたが、PC起動時に自動ログインさせたり、サーバーとして他のPCから使用している場合は、モニターの表示も必要ないので直ぐに消えるようにしましょう。

PC起動時に自動ログイン


図15

システム設定(Dashで“system se”で検索)を開きます。(上図)

システム(一番下)の“ユーザーアカウント”をクリック。


図16

開いた“ユーザーアカウント”の右上の“ロック時解除”をクリックしてロック解除。
“自動ログイン”の[オン] ]のオンをクリック。
ロックをして終了。


モニターオフの設定
ファイルサーバーとして他のPCから利用している間は、ファイルサーバーのモニターは消しておいた方が良いですね。


図17
「システム設定」の「画面の明るさとロック」を開きます。

アイドル状態を最小の1分にします。
「ロックする」をオフにします。
□ サスペンドから‥‥ のチェックを外します。(復帰時に、パスワードを入力するのは面倒ですね。)

以上で、自動マウント、共有、自動ログインの設定終了。

再起動して確かめましょう。


他のPCから使用するには。
Ubuntuの場合は、ホームフォルダー(ファイルマネージャ)の“ネットワークを表示”(左ペイン)をクリックし、右側に表示される該当アイコン(PC名が表示)から開いて行きます。
Windowsの場合は、コンピュータ→ネットワーク→該当PCと開き、後は使用したいフォルダ・ファイルを開きます。
共に、名前とパスワードを尋ねられたら、上記で設定したPC(ファイルサーバー用に設定したPC)のログイン名とパスワードを入力します。

参考)Windowsから利用する場合。(Win7)

エクスプローラを開きます。

図18
上図赤下線部のようにファイルサーバーとして設定したPCのPC名が表示されています。
サーバーPC名の左の▽をクリック、若しくはサーバー名(PC名)をクリックすると下図が表示されます。
下図表示のタイミングは、上図赤下線の下のパーティション名や右ペインのパーティション名をクリックした時点など多少の時間差が有る場合があります。(表示まで時間が掛かる場合があります。)下図が表示されないと言って、幾つものアイコン等をクリックすると、下図が一度に沢山表示されて、どれがどれだか解からなくなります。上図PC名をクリックしたら少し時間を置いてください。


図19
ユーザー名・パスワードは、サーバーPCのログイン名とログインパスワードを入力。
この後は、通常のエクスプローラでのフォルダ・ファイルの操作同様に使用できます。

参考)ここでの入力を間違えた場合に、その後エラーで使用できない場合があります。其の場合は、一度ログアウト(又は再起動)してください。

ここまで設定したファイルサーバーは、家庭内LANでのみ使用できるものです。

ここまでのファイルサーバーとしての使用感。
今まで、BuffaloのLinkStation(LAN接続HDD)をファイルサーバーとして使用していましたが、LinkStationより、起動や動作が速く、XS35V3によるファイルサーバーは十分満足出来る物となりました。例えば、別PCにホームページソフトをインストールして、ファイルサーバーにデータを保存し、別PCのホームページソフトからサイト(ファイル)を開く時間なども、LinkStationの半分の時間で開く事が出来ます。価格的にも、PC本体(¥14800)+メモリ4GB(¥1720)+HDD1TB(¥6980)の合計¥23500と低価格、低消費電力(20W)のPCにしては、ファイルサーバーとしての性能・動作に、今のところ十分に満足です。これからは、LinkStationはバックアップ用に使用する予定ですが、動作が遅いのが気になります。

参考)Shuttle XS35V3(CPU:Atom D2700/2.13GHz チップセット:iNM10)はグラフィック関係が弱いようで、動画は、超カクカクで使用に耐えませんでした。しかし、ファイルサーバーとして使うには十分です。元々ファイルサーバー用として購入した物なので、低消費電力であり初期目的を十分果たしており十分に満足しております。
XS35V3(ベアボーン)ではなく、Shuttleダイレクトショップで、XS3500GSV3L(BTO-PC)が販売されていますが、こちらは、グラフィックボード(AMD Mobilty Radeon HD7410M)が搭載されているようなので、動画にも十分使用できるのでは無いでしょうか?。(確認はしていません。)
注意)グラフィックボードが搭載されているのは、型番がXS3500GSV3Lの方で、XS3500V3Lの方にはグラフィックボードは搭載されていません。

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