曲を作ってみよう 9 (バッキング打ち込み編 1)
前回までに、メロディーとドラムが入っていますね。(メロは、Trk1のMIDIソフトウェア音源とTrk2のプラグイン・ソフトシンセの2トラック分入っていますね。)
今回は、ギターを打ち込みましょう。
スタート小節の変更
今回は、ギターを打ち込む前に、少し別な作業を行ないます。
本来は、最初に設定すべきなのですが、説明の都合上後回しにしました。
MIDIを使用する場合に、保存は単に保存のみ行なってきましたが、今までの保存方法では、他のソフトで利用する場合に使用できません。MIDIには、SMF(Standard
Midi File)と言うファイルが規定されています。他のソフトでの使用も考える必要が有る場合は、このSMFでも保存しておくと良いでしょう。SMFはMIDI関連のみです。MSPのオーディオ関連も保存されるわけでは有りません。
別PCで使用する場合は、MIDIデータ以外に、オーディオデータを使用している場合は、SMFとは別に、保存してあるオーディオデータも読み込む必要が有ります。其の場合は、オーディオデータの読み込み位置に注意して下さい。
MIDIでは、MIDI機器の設定をするために、曲の先頭で記述しておきます。例えば、テンポ・音色・音量など多くの設定を書き込む場合があります。其処で通常は1小節目は、これに割り当てて空小節とします。
今回までの入力では、1小節目から、いきなりメロディーを始めました。
今回は、イントロらしき物を4小節加えたいと思います。
従って、上記の空の1小節とイントロ4小節の計5小節分を先頭に空けなければなりません。
早速コピペ(正しくはコピペでない)で移動しましょう。
図1 トラック1のピアノロール
現在はこのようになっています。
画面表示サイズが違いますか?。
図2
ピアノロール画面の右下に上図の様に表示されているので、下の“-”で一番小さくしてしまいます。(25小節以上表示させます。)
移動したい範囲をドラッグ選択します。(選択されたものは、反転表示)
ドラッグ選択後に、右クリックから“切り取り”。(コピーではなく、切り取りです。)
切り取りをクリックすると、選択されている物が消えます。(画面上には、音データがなくなります。)
図3
6小節目の先頭をクリック(矢印1)。(上図の様にルーラーの6の左隣の縦線辺りをクリック。又は、ピアノロール部でも良いです。)
矢印1のように、現在の編集小節位置が表示されています。(上部小節番号6の左の黒い線)
編集小節位置選択後、右クリックから“貼りつけ”
図3のようになります。
トラック2と10も同じく移動。
(トラック11はパタ−ンストック用トラックと使用しているため、再生には使用しないので移動しなくても良いです。)
図4 トラックエディタ画面
上図の様に5小節分前に空きました。
今回の曲の構想として、メロディーを3回繰り返すと言うのを考えています。
1回目は静かに、2回目は少し派手に、間奏(・サビ)、3回目は度派手に、そして(サビ・)エンディングと考えています。
トラック1・2・10を5小節から21小節をコピーして、22小節目から貼りつけます。(これで、1回目と2回目分が出来ました。)
1回目は、静かに演奏したいので、最初に入力したドラムパターンは思い切って抜いてしまいましょう。
6小節目から21小節目のドラムは削除します。
図5
ドラムトラックは、上図の様になりました。
ギターバッキングの入力
では、今回の打ち込みを始めます。
既に、メロディーとドラム(曲の2回目繰り返しから。)が入っているので、ギターでも入れましょうかね。
“1回目は静かに”と言う事で、ギターの1回目は、コードでのカッティング等ではなく、アルペジョとします。
アルペジョ。
ギターで弾きたい和音を同時に出すのではなく、テンポに沿って1音ずつ弾きます。
図5
例えば、図5の“0”を弾く場合、同時に全部弾くのではなく、ABCのようにコードの音を1音ずつ弾いていきます。様々なパターンが考えられますね。(全部の音符の長さの合計がT小節分となる様にして下さい。)
上図では、すべて1音ずつ発音していますが、所々に和音を入れても良いんですよ。
ギターの音域
図6
音域を余り外した使い方は、ギターらしさが消えてしまいます。
ギターの音域は、図6左側のようになっています。
青色数字はギターの弦を表しています。(1が細い方、6が太い方)
0F、12F、19Fは、其々フレット数を表します。(19Fのみオクターブ下に記入。)
アルペジョパタ−ンは、図6の赤下線パターンとします。(自分で良いと思うパターンを作成して入れてください。)
上図の“C”(赤色)はコードCですが、ギターの12フレットまででは、“Git C”の発音(上第3線のEが抜けていました。)となりますが、ここではローフレットの“打込み”とある音域を使用します。発音する順番は、赤下線部だとします。
“ミニスタ作ろう9”で、この曲にコードをつけましたが、其のコードの通りに付けていきます。
ギタートラックの作成
まずは、トラックを作成。
図7
トラック3にギタートラックを作成します。
音色は、上図では、26:Steel-str-Gt。これは、スティ−ル弦ギターですが、好みの楽器を設定してください。
(トラック3/ギタートラックのPatchの欄で設定)
6〜21の各小節に、“ミニスタ作ろう9”で付けたコード通りに、図6で示すコードCのパターンを参考に、各コードに合わせて入力します。
図8
上図はギターのローコードのCFGですが、例えばCの場合、ギターでCを押えると、上図小節先頭の全音符部のようになります。これをアルペジョで弾くと右側の8分音符のようになります。上図では最初はCとなっていますが、場合によっては、下のEから始めても良いんですよ。(ベースがルートのCを引いている場合などは、低音部にEをもってきてもいいですね。)
Fは、ギターで弾く場合は、低音部から音のFCFACFを使用します。
(下側のAが有りませんが、ギターでコードFを押えるとこの様になります。実際にギターで押えるコードパターンで入力した方がギターらしくなります。)
3小節目もコードFですが、コードFに限らず、3小節目後半のアルペジョのように、メロディーの流れによっては、下降パターンや上昇パターンを取り入れても良いんですよ。
4小節目は、コードGですが、ギターでコードGを押えると、GBDGBGとなり上側のDが有りません。ギターでコードを引く場合は、4小節目の全音符のコードGのように押えますが、アルペジョの場合は、場合によっては4小節のアルペジョのように高い方のGの代わりにDを使用しても良いんですよ。
図9
今回のサンプルメロディーにコードを付けた場合、オーソドックスなコード進行で使用したと思われるギターコードの構成音を記載してみました。(一般的なギターのチューニングの場合)
其々、ローコードを載せました。G-3Fは、同じGコードを3フレットから押えた場合です。
ギターの和音って少し変でしょう。例えば、コードEmの場合には、低音部がEGBとならずEBとなってGが無くなっていますね。コードGなら高音部はGBDGとなるところが、GBGとなってDが無くなっていますね。これはギターの弦が6本で、其々の弦の音(開放弦)の音が下から(低音部から)、EADGBEとなっているためです。この弦を無理なく指で押弦するために、この様な和音の配置となります。これがギターらしさの和音なんです。アルペジョで弾く場合は余り問題になりませんが、カッティングで弾く場合には、この和音の出し方がギターらしい和音の出し方となります。
※ギターコードブックやネットでギターコードを検索して参考にしましょう。(ギターコード表を記載予定ではいます。)
其々のコードに合わせてギターのアルペジョを入力しましょう。
再生してみましょう。(ドラムトラックは、21小節まで削除したので、メロディーと今入力したギターしか聞こえません。)
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