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動画編集(PiTiVi編)

PiTiViはLinux用の動画編集アプリです。

OpenShot、Avidemuxに続いて、PiTiViで音声編集を試してみます。

今回の使用ディストロは、Ubuntu11.10です。

PiTiViのインストールは、Ubuntuソフトウェアセンターで“pitivi”で検索してインストールして下さい。
インストールされたソフトは、メディアに有ります。

早速、PiTiViを開きます。


図 1
図2が開いた上に、図1が表示されます。
初めてですので、新規をクリックします。
この新規作成で、作成されるのは、プロジェクトです。

新規作成が終了すると、PiTiViの編集画面になります。


図 2
編集したいファイルを、インポートします。
“+ファイルのインポート”でファイルを追加します。
複数のクリップを使用する場合は、必要なファイルを追加します。
今回は、全体の音量調整ですので、一つのファイルのみインポートします。


図 3
上図の丸印部の様に、ファイルがインポートされます。

インポートされたファイルを、トラックにドラッグ・ドロップします。(赤矢印のようにドラッグ。)



図 4
上図のように、トラックに、映像と音声が表示されます。
音声の上下中心にある赤い線が音量です。

もし、トラック部分が上図のように表示されずに、下図のように表示されてしまった場合は。


図 5
上図の、トラックの映像のクリップを少し上にドラッグしてみてください。
図4のように表示されると思います。
上下間隔が広くなっている為この様に表示されていますので、右側のスクロールバーを移動しても表示できます。



図 6

今回は、全体の音量を増やすだけですので、赤い音量線(矢印2)をドラックして上に移動するだけです。
(線上でWクリックしないでください。ポイントが作成されてしまいます。)
上手くいかない場合は、クリップの最初と終わりに有るポイントをドラックしてください。
(クリップの最初のポイントは、次図(図7)の音声の最初に半分見える“□の事です。)
この場合は、最初と最後のポイントの位置(音量)を同じにしてください。


今回の目的の音声全体のゲインアップ編集は、ここまでで終了。
書き出し(レンダリング)については、後述の“保存(レンダリング)”の項を参照して下さい。

参考までに、フェードのかけ方を示します。(取り敢えずフェードインを記載します。)
矢印1のズームを使って、フェードを掛けたい部分をなるべく大きく表示します。


図 7

赤い音量線上のフェードイン終了をさせたい部分(凡そ)で、Wクリックします。
上図のように、ポイントが作られます。


図 8
最初のポイントをドラッグして、音量0にします。
フェード終了の位置は、ポイントを左右にドラッグして調整します。(ズームアップして細かい位置調整をして下さい。)
以上で、フェードインの設定終了。


図 9
ポイントを増やせば、上図のようなフェードインも作成できます。

参考)
フェードアウトは、これとは逆におこなえば良いですね。

途中に複数のポイントを設けて音量調整を行えば、例えば、ナレーション等を追加した場合に、その部分だけBGMを小さくする事が出来ます。

また、映像のクロスフェード等と組み合わせれば、かなり良い線のビデオが作成されます。
さらに、エフェクトもかけると更に良いものとなるでしょう。エフェクトのかけ過ぎは、しつこい画像となっていまいます。好みの問題もありますが、エフェクトの使いすぎには注意しましょう。

OpenShot、Avidemuxと比べ、視覚的に行え、また複雑な編集もこなせますね。


保存(レンダリング)
書き出しは、“レンダリング”アイコンで行います。


図 10
上図が表示されます。
保存フォルダー、ファイル名を入力します。
コンテナ形式は、保存したい形式を選択します。
「レンダリング」をクリック。

参考)
各タブの設定内容は次の通りです。

「Video」タブ

図 11
フレームレート(1秒間に何フレーム表示するか)やコーデック形式を設定を、其々右の()ボタンで選択します。

拡大比率の右の[プロジェクトの設定を編集]を開くと次の様に表示されます。


図 12
プロジェクトの設定のVideoタブ
ここで、画面サイズやフレームレートの設定もできるようです。また、アスペクト比(画面の縦横の比)の設定も行えるようです。


図 13
プロジェクトの設定の音声タブ
音声チャンネル数、サンプルレート、量子化bitの設定が出来ます。
上図のサンプルレート44.1KHzはCDレベル音質です。bitは通常16bitで十分かと思います。確かに96KHz、24bitの音は素晴らしい物ではありますが、元音のbit数の低いものを、ハイbit化しても余り効果はないかと。

情報タブ(図は有りません。)では、プロジェクト名、作者、制作年の設定ができます。


図11のVideoのコーデックの右端の「詳細設定」を開くと次の様に表示されます。


図 14
上図は、x264encを指定してある場合の表示です。指定してあるコーデックにより表示内容は変わります。

図11の音声タブの図がありませんが、チャンネル数(モノラル、ステレオ等)、サンプルレート、量子化bit、コーデックの設定ができます。コーデックの右端の「詳細設定」を開くと次の様に表示されます。



図 15
上図は、コーデックに、L.A.M.E.mp3を設定した場合で、コーデックの種類により内容は変わります。


全ての設定が終えたら、図11の右下の「レンダリング」ボタンをクリックします。


図 16

上図は、レンダリング中の進捗画面です。
OpenShot、Avidemuxに比べ、PiTiViは本格的に編集・レンダリングを行うため、レンダリングには時間がかかります。
ホームビデオ等で、複数のクリップを組み合わせ、BGMをつけ、更にナレーション等を付たりかなりの事が行えますね。

終了後、作成したファイルを再生してみましたが、特に問題点は有りませんでした。が、指定コーデックによっては、画像の劣化、音質劣化、プレイヤーによって再生できない等が起こります。ファイルサイズやプレイヤーでの再生確認をしながら、コーデックの組み合わせを色々試してください。ファイルのプロパティでコーデック、画像サイズ、フレーム数等を確認して参考にすると良いでしょう。


今回の目的の音声全体の音量調整のみでしたら、PiTiViまでは必要無く、書き出し時間の短いAvidemuxあたりで事が済むみたいですね。
(PiTiViのレンダリング時間が掛かるため!。)

今回は、PiTiViを試してみましたが、本格的に編集(ビデオ作品作り)を行なってみたいのでしたら、Kdenlive(KDE)良いでしょう。思ったより使えるソフトのようです。(ただ、動作安定性に問題が有る様で、落易いみたいです。)

参考)
PiTiViの使用後記


Avidemuxの様に、時間ズレを数値入力出来ませんが(多分、よく確認していませんので悪しからず。)、最大にズームアップにすれば、かなり細かい所まで修正できるのではないでしょうか。

グループ解除
映像と音声とを別々のタイムライン上(例えば、音声の時間位置を後ろにズラす)に配置したい場合は、トラック上のクリップ(複数のクリップがある場合は、変更したいクリップ)をクリック選択して、メニューの“タイムライン”の“グループ解除”をクリックすると、映像と音声が別々のタイムライン軸上に配置できます。(映像又は音声の片方のみを前後にドラッグ移動できます。)

グループ解除を行なっていない場合は、映像・音声のどちらかを移動しようとしても、両方同時に移動してしまいます。

編集中にクリップや映像と音声を合わせておいても間違って触れてしまうと両者の時間軸が狂って仕舞う場合があります。これを避けるために、編集後は、クリップの映像と音声をグループ化しておきましょう。

グループ化
1:最初にグループ化したいクリップの選択
グループ化したいクリップ(映像や音声、他のクリップ)をクリップ外からドラック選択します。
又は、複数のクリップが連続してある場合は、最初のクリップをクリック選択後、「Shift」キーを押しながら対象クリップの最後のクリップをクリックします。
また、複数のクリップが、点在する場合(グループ化したいクリップの間に、グループ化したくないクリップが有る場合)は、「Ctrl」キーを押しながら、グループ化対象とするクリップをクリックします。

2:上部メニューの“タイムライン”の“グループ化”をクリックすると、選択されていたクリップが全て同一グループとなります。
グループ内の、どれか一つのクリップをタイムライン上でドラッグ移動しても、グループ内のクリップは全て同時に移動します。

トラックについて
メディアライブラリに複数のクリップがある場合は、トラックの空いてる場所にドラッグ&ドロップをすれば、同じトラックに複数のクリップを配置できます。また、クロスフェード等を行いたい場合は、トラック上のクリップを、トラック上で上又は下にドラッグ移動すれば自動的にトラックが増え、クリップが上下別なライン上に配置されます(増やしたトラックは、映像は映像エリア、音声は音声エリアに複数配置されます。)。これでクロスフェードできますが、映像と音声がクループ解除されていると、どちらかを移動しても、もう片方は移動しませんので、注意しましょう。

簡単ですが、今回は、これで終了です。

参考)
音声に聞きづらい(最初の方だけ音が大きく、それ以降は音が小さくなる)ファイルがありましたので、音声のゲイン調整を細かくおこなってみました。音声(ゲイン)調整にポイントを沢山設定して細かく調整してみました。思ったように調整ができるのでいいですね。それと、音声のズレがあるファイルを調整してみましたが、どの様に調整しても映像と音声が合いませんでした。色々試した結果、映像と音声が別物の様で、映像に別の音声を付けたもののようです。このような場合も、トラック全体を移動しながら確認できるのでとても使いよいです。出来れば、音声のトラック幅がもっと広いと使い良いですね(詳しくは見ていないので正確には言えませんが、多分トラック幅は広がらないと思います。)。トラック幅が広いほうが調整しやすいですね。

ざっと見ただけではありますが、OpenShotやAvidemuxに比べると随分と使い勝手が良く、使い出も有るでしょう。かなり本格的な編集も出来そうですね。書き出しも色々なタイプで出来る様ですが、画質を落とさず行う場合は、レンダリングに時間が掛かるのは致し方ないでしょうね。(どのソフトでも、レンダリングには時間がかかります。)


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