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起動ドライブの変更(BIOSとUEFI) 及び デュアルブートの解除

Linuxインストール時の起動ドライブの変更方法やLinuxの削除方法が、あちこちのページに散乱していたり、記載内容が古くなってきましたので、このページに纏めてみました。

Linuxを始めた方に、BIOSやUEFIが関わってくるのは、主に次の場合でしょう。
● WindowsマシンにUbuntu(Linux)をインストールしてデュアルブートする場合などにインストールメディアを使用するために、起動ドライブを変更。
● デュアルブートを解除して、元のWindowsのみにする場合。

下記の操作は、システムに重大な障害が発生する場合がありますので、自己責任でお願いします。

以下は、WidowsとLinuxをデュアルブートさせることを前提記載しています。(シングルブート時は参考にしてください。)
実際の、インストールについては記載していません。実際のインストールについては、“LinuxDistribution
の其々のディストロのページをご覧下さい。
デュアルブート(インストール)時に必要な、起動ドライブ(BIOS、UEFI)の変更とデュアルブート解除方法に限って記載しています。


BIOS
(BASIC Input Output System)
PCの電源を入れると、BIOSは、指定されているデバイス順に調べていき、起動できるデバイス(OSがインストールされているデバイス)が有れば、そのデバイスから起動を始めます。
BIOSの設定は、CUI(マウスは使えず、キーボードの操作のみです。)で結構わかりづらいですね。
主に、Windows7まで使われていました。


MBR(Master Boot Record)
PCが起動開始すると、まずBIOSに制御が移り、BIOSはデバイス検索順に検索し、例えばHDDに起動できるOSが見つかると、HDDのMBR(HDDの先頭セクタ−の512Bの領域) を調べ、MBRに制御を渡します。そしてMBRには、システムを起動するためのブートローダーが書かれており、書かれている内容に沿ってシステムを起動し ます。


UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)
ハードの性能の著しい進展により、Windows8以降は、CPUは64bit、HDD容量は2TBを超えるようになりました。この進展に合わせ、BIOSにとって代わってUEFIが使われるようになりました。
BIOSの画面に比べると、非常にグラフィカルな感じですね。

セキュアブート(Secure Boot)
セキュアブートは、OS内のデジタル署名チェック機能です。
PC の製造元から信頼されるソフトウェアのみを使って PC が起動されるようにし、OSの不当な改編を防止します。
PC が起動されると、ファームウェアにより、ファームウェア ドライバー (オプション ROM) を含む各ブート ソフトウェアとオペレーティング システムの署名がチェックされ、署名が有効な場合はPC が起動され、ファームウェアからオペレーティング システムに制御が渡されます。

WindowsとLinuxのデュアルブートを行うと、MBRがGRUB/GRUB2になりますが、ここでは、GRUBについては割愛します。


起動ドライブの変更
PC起動時の大まかな動作。
PCは起動時に、起動できるOSがあるデバイスを調べる順番が決められています。優先順位に従って、デバイスを調べ、起動可能なOSが有れば、其のOSを起動します。
例えば、デバイス検索順番が、1:HD 2:CDROM 3:・・・ のようになっていたとします。
PCが起動されると、まず優先順位1のHDDを調べます。HDに起動可能なOSが有れば、其のOSを起動します。
もし、見つからない場合は、次の順位の2のCDを調べ、見つかれば起動します。
もし、すべてに見つからなければ、PCは何もしません。ただ電源が入っているだけです。自作PCのOSインストール前の状態が、この状態ですね。

Ubuntu等は、ライブ起動ディスク(ブータブルディスク)対応になっていて、ライブ起動DVDを作成して、DVDから起動することが可能です。
(ライブ起動に対応していないディストロもあります。)
また、CD/DVDからの起動だけではなく、USBメモリにも対応しています。(ライブUSBメモリの作成方法は、ページ“ライブUSBの作成”を参考にして下さい。)
ライブ起動した状態から、Ubuntuをインストールします。
ということは、CDROMの優先順位が1になっていないと、CDROMから起動はできません。

優先順位が、1:HD 2:CDROM となっている状態で、CDROMをセットし再起動しても、最初にHDを検索しOSを起動してしまうため、CDから起動することはありません。

そこで、CDの優先順位を1にしてしまいます。
そうすれば、PC起動時に、CDから起動できるOSを調べるため、CDのOSを起動できます。
例えば、1:CDROM 2:HDD、と設定している場合は、PC起動時にCDROMから調べるため、CDROMから起動します。

もしこの状態で、CDROMを入れていなかったり、CDROMに起動できるOSが無かったら(例えば音楽用CDを挿入)、どうなるのでしょう。
この場合は、起動時最初にCDROMを調べますが、起動できるOSが無いので、優先順位2のHDを調べ、HDに起動できるOSが有れば起動します。
従って、1番目をCDにしたまま使用しても大丈夫です。
(CDを調べる時間がかかるので、起動時間は遅くなるはずですが、実際の使用では余り問題にならないでしょう。)

起動ドライブの優先順位の変更。
BIOSとUEFIでは操作方法が異なるので、其々について記載します。

BIOSの場合。
BIOS設定画面の表示。
以下はPCにより違うので、PCのマニュアルで確認して下さい。)
PCの電源を入れ、すぐにPC指定のキーを押して、BIOS画面を立ち上げます。
どのキーを押すかは、マニュアルのBIOSの項で確認してください。
大概のPCは、PCの電源を入れた時、最初に表示される画面(POST)が表示中(数秒)に、BIOS設定開始ボタンが表示されます。大概画面下部に表示されています。表示が出ない機種も有ります。
数秒しか表示されませんので、この表示が有る間に、該当するキーを複数回タップすると良いでしょう。
開始ボタンは、普通は、「F2」キーまたは「Esc」「Del」キー等の場合が多いです。
もし、Windowsが立ち上がってしまった時は、一度シャットダウン(再起動)して、やり直してください。

BIOS設定画面が開いたら。
ブートデバイスの優先順位を設定する画面に[←/→]キーで移動します。
起動、又は、起動が含まれる表示のある場所、Bootまたは、Bootの含まれる場所、セキュリティなどが表示される場所に移動します。
[↑/↓]キーで、起動デバイス優先順位を設定できる場所に移動し、CDROMの順位を1番目にします。

BIOS設定例)
BIOS画面を開きます。
[←/→]キーで、Bootに移動します。
[↑/↓]キーで、“CD/DVD‥‥”まで移動します。(反転表示される)
「F6」キーを押して“CD”を1番目に移動します。
画面下に、“F10 Save and Exit”と有りますから、「F10」キーを押して、保存終了します。


UEFIの場合。
32bit版UEFIの場合、殆んどのLinuxディストリビューションは対応していません。
従って、Win8以降の32bitCPUマシンにはインストールできないと思ってください。
どうしてもインストールを試みたい場合は、インストールイメージのカスタマイズ、ブートローダーの手動インストールなどを行えば、インストールできる場合があります。しかし、ある程度の技術を要し、初心者がトライしても、なかなか上手くいかない場合多いです。ここでは、32bit版UEFIマシンへのLinuxディストロのインストールは割愛します。
PCによっては、起動時に(POST中に)特定のキー(例えば[PF12])を押すことによって、起動デバイスを選択できます。この場合は、起動ドライブの変更は行わなくても良いでしょう。

まず、“高速スタートアップ”と“セキュアブート”を無効にします。

“高速スタートアップ”の無効化
「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「電源オプション」→“電源ボタンの動作の選択”→「システム設定」→“現在利用可能ではない設定を変更します”→“シャットダウン設定”の“□ 高速スタートアップを有効にする”のチェックを外します。

セキュアブートの無効化
PC の BIOS メニューを開きます。(BIOSの項を参考に。)
[セキュア ブート]?設定を探し、?[無効](レガシーモード)?に設定しますが、設定変更できない場合もあるようです。
このオプションは、[セキュリティ]?、[ブート]?、[認証]?の何れかに有ることが多いです。
変更を保存して、終了し、PC再起動。
セキュアブートを無効にできない場合は、セキュアブートに対応していないOSのインストールはできません。

Ubuntuはセキュアブートに対応しているので、そのままでも起動できるはずです。

参考)Windows8/10を起動中に、BIOSを開くには、Shift キーを押しながら?[再起動]?を選択します。
   [トラブルシューティング] → [詳細オプション: UEFI ファームウェアの設定]

起動ドライブの変更
“高速スタートアップ”と“セキュアブート”の無効化に続き、起動ドライブを選択します。

Windows8.1
DVDやUSBメモリーから起動するには[Shift]キーを押しながら再起動をクリックすると、[オプションの選択]の画面が表示され、[デバイスの使用]で起動する項目を選択。
Win8→[PC設定]→[保守と管理]→[回復]→[PCの起動をカスタマイズ]→同ページの[今すぐ再起動]→[オプションの選択]→[デバイスの使用]→(ブートデバイスを選択)

[デバイスの使用]が表示されないときは?。
[トラブルシューティング]-[詳細オプション]-[UEFIファームウェアの設定]と選び、システムのUEFIユーティリティーを起動し、起動ドライブの設定。

Windows10
保守と管理→回復→“PCの起動をカスタマイズする”の「いますぐ再起動」→“オプションの選択”→「デバイスの使用」→“デバイスの使用”→「・・・CDROM・・」等の目的のデバイスを選択。
* 「・・・CDROM・・」の部分は、PCにより変わります。例えば、光学ドライブなら、表示の中に“CDROM”の表示があります。

以上の起動ドライブの設定方法は、PCメーカーやPCによって違います。マニュアルで確認してください。

ドライブの変更は、1回だけ有効な方法、設定ドライブを変更する方法が有ります。(設定ドライブを変更出来ないPCも有ります。)


参考設定)
私のPC(Asus X202E)に、ライブUSBメモリでUbuntuをインストールときの設定例です。
(前もって、UbuntuのライブUSBメモリを作成してあります。)
・BIOSの設定変更
  BIOS互換モードでインストールを行います。
  (UEFIの場合、UEFIの設定変更を行ってインストールを試みても上手くいかない場合が有る様です。)

参考手順)
・再起動します。
・X202Eを再起動のPOST中に「f2」キー(PFキー)をおしてBIOSを起動させます。
・上部メニューを“Boot”移動して、表示された画面の「LaunchCSM」を選択し「Enable」にします。
・上部メニューを移動して“Save & Exit”に合わせます。
・“SaveChanges and Exit”を選択(「↑/↓」キーで移動)して「Enter」。
・「Yes」を選択。
・BIOSが終了してWindowsが起動します。
・作成したUSBメモリを挿します。(Windowsが起動した状態です。)
・再起動し、POST中に「f2」キーを押してBIOSを起動します。
・Boot→“Add New Boot optin”を選択(白ハイライト表示)して「Enter」
・「Select FileSystem」を選択して「Enter」
   例えば次の様に表示されます。(USB機器を接続した場合。)
     1行目→HDD関連(接続機器が無い場合は、この行のみ)
     2行目→PCI(IDI0)\USB1.1/USB2.0・・・(USB機器を接続した場合は、この様に表示)
    表示の2行目を選択して「Enter」(今回は、USBメモリからインストール)
・上部メニューを“Save & Exit”に移動。
・“SaveChanges and Exit”を選択して「Enter」
・Yesを選択して「Enter」
BIOSが終了して、USBからUbuntuライブ版が起動。
※ 上記のUSBのBIOS設定は、一度だけ有効な設定で、一度USBメモリを取り外すと再度設定が必要です。



デュアルブートを解除。
WindowsとUbuntuのデュアルブートを解除して、Windowsのみにする。

現在のWindowsは、Windows7以降がメインであると思われます。ここでは、Win7とWin8/10について記載します。
WinVista以前については、当サイトの“困った時は”の“MBRの修復方法”た“パーティションIDの変更”等を参考にしてください。

Windows とUbuntu(LinuxDistro)をデュアルブートした時は、既に在るWindowsと共存させてUbuntuをインストールし、2つのOSを起動するための情報をGRUB(GRUB2)という形でインストールすることが多いと思います。
Windws7とWindows8(10)では、起動情報(ブートローダー)の仕組みが違っています。従ってWin7(BIOS)とWin8/10(UEFI)では、デュアルブート解除方法が違ってきます。


Windows7(BIOS)
Linuxをデュアルブートすると、WindowsのBIOS→MBRという形が、BIOS→GRUBに変わり、Windowsとは別のパーティションに、Ubuntuがインストールされます。また、大概の場合、更にSWAPが別パーティションで作成されています。
GRUBはUbuntu領域に書き込まれています。従って単にUbuntuを削除すると、ブートローダーの情報の一部がなくなってしまうため、Windows7も起動できなくなります。慎重に作業をする必要があります。

作業手順は、最初にMBRを修復し、MBRの修復に成功したら、その後Ubuntuを削除します。最後に削除したUbuntuの領域をパーティショニングします。つまり、空きエリアをWindows7の領域として広げるか、そのパーティションをデータエリアとして残すかなどです。

MBRの修復
Win7のインストールディスク、又は、“システム回復ディスク”を使用して、コマンド入力/実行でMBRを修復します。

“システム回復ディスク”
インストールディスクが無い場合は、“システム回復ディスク”を使用します。“システム回復ディスク”が無い場合は、以下のようにして前もってWindowsで作成しておきます。

“システム回復ディスク”の作成。
「スタート」→「メンテナンス」→「システム修復ディスクの作成」

MBRの修復
“システム回復ディスク”でPCを起動します。
「Windowsの起動に伴う問題の回復ツール・・・」を選択。
コマンドプロンプトを起動し、以下を実行。
bootrec /fixboot [Enter]
bootrec /fixmbr [Enter]
Exit [Enter]
再起動
MBR修復成功なら、Win7が起動します。

この後は、Ubuntu領域、Swap領域を削除し、空きエリアとなった場所使用方法を検討し、必要なパーティショニングを行います。

パーティション操作。(当サイトの“パーティション編集”(左ペインの索引で選択)を参考にしてください。)
「コントロールパネル」→「管理ツール」→「コンピュータの管理」画面
左ペインの「記憶域」→「ディスクの管理」(「ディスクの管理」が表示されていない場合は、「▼記憶域」の頭の▼をクリック)
右ペインに、ディスクのパーティション設定グラフが表示されます。

作業するドライブは、通常は“ディスク0”です。また、(C:)はWindows7でNTFSフォーマットになっています。
Ubuntu領域(ext4フォーマット/表示されない?。ディスクの容量で見当をつけてください。)、及び、Swap領域(大概、数GB以下です。)を右クリックの「ボリュームの削除」で削除します。
空き領域ができるので、空き領域で右クリック→パーティションの削除。
この状態で、Windows上で右クリック→“ボリュームの拡張”でWin7の領域が広がります。
Win7領域を拡張しなくて良い、または、全部でなくても良いなら、残ったエリアをデータ用パーティションにすると良いでしょう。又は、Linux再インストールに備え、そのままにしておいても良いでしょう。


Windows8/10(UEFI)
UEFIの場合は、EFI System からUbuntuのブートローダーを削除すれば良いだけです。

以下の手順で、“端末”起動してコマンドでの操作をします。
以下の表示で、
■色の部分は、端末操作の行、■色は端末操作により表示されたリスト、■色は、その行の説明です。
(解り易い様に、色分けしました。)
以下の■色
の部分が端末にでの入力・実行部分です。[Enter]は、キーボードの[Enter]キーを押すことです。

$ sudo bash [Enter]
ユーザー名 パスワード:■
  ← パスワードの入力を求めてきます。(■はカーソル。)
                  パスワードは、PCログイン時のパスワード。
                  パスワードを入力しても、画面上は何の変化もありません。
                  しかし、キー入力は正しく認識されています。
                  パスワードを正確(見えませんが。)に入力して[Enter]してください。
                  (全てのコマンドの行の[Enter]の前にスペースは入れないでください。

# fdisk-1 [Enter]  ← 管理者権限になったため、コマンドプロンプトが$から#になります。
           
* 上記(fdisk)を実行させると、下記のように#行の前まで表示されます。
 
 略
 
デバイス     スタート    最後から   セクタ    サイズ     タイプ
/dev/sda1   12345678  12345678  12345678  12345678 Windows Recovery・・・
/dev/sda2    12345678  12345678   :      :    EFI System・・ ← EFIは/dev/sda2にある
 
:        :       :      :      :      :
 略        :       :      :      :      :
 :        :       :      :      :      :
/dev/sda6   12345678    :      :      :     Linux File・・
 ←Linux本体
/dev/sda7   12345678    :      :      :     Linux Swap
  ←Linux Swap
       
* デバイスリストは、システム構成により表示される行数は違います。
       
* スタート/最後から/セクタ/サイズの数値はデタラメに記入してあります。(は省略)
   
・上記から、“sda2”に削除したいUbuntuが含まれるブートローダーが有ることがわかります。
   ・このブートローダーにあるUbuntuの項を削除すればよいのです。
   ・実際に削除するには、上記リストに続き以下を実行
# mount /dev/sda2 mnt [Enter]  ←“HD(/dev)の/sda2”を“/mnt”にマウントします。
# cd /mnt/EFI/ [Enter]
     ←ディレクトリ(現在位置)をEFIに移動します。(上記により、/mnt/EFIとなっています。
# ls [Enter]
       ←EFIの内容をリストします。(lsはリストコマンド。ディレクトリを指定していないので、現在位置がリストされる。)
Boot Microsoft Ubuntu
    ←ブートローダーの内容がリストされています。
               
  Windows(Microsoft)とUbuntuがブートローダーに有ることがわかります。
# rm -rf ubuntu [Enter]   ←Ubuntuを削除します。( rmはリムーブ/削除コマンド。-rfは、rmのオプション。)
                           r は、ディレクトリを再帰的に実行。
                           f ファイル削除のとき、問い合わせ無しで削除。
                             (ファイルが存在しない場合でも警告無し。)
                            i : 削除確認があります
                          (上記例で、削除確認をしたい場合は、オプションを -ri として下さい。)
                           行末のUbuntuで削除対象を指定しています。


# exit [Enter]   ←管理者権限を抜けます。
$ exit [Enter]   ←端末を終了。(上の行で管理者権限を抜けたので、コマンドプロンプトが$になります。)

以上で、ブートローダーのUbuntuの削除完了です。
再起動して、Windows8/10が起動できることを確認してください。

再起動後は、パーティション編集を行い、Ubuntu領域を削除します。(Swapがある場合は、Swapも)
空きエリアとなった場所の利用のためのパーティション編集。
パーティション編集は、上記のWin7項やページ“パーティション操作”を参考にしてください。


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