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インストール方式

OSをHDにインストールする場合に、インストールする方式(HDの利用形態)には、いくつかの方法があります。

が、HDインストール形態の説明の前に、もう一度、パーティションやPAEについて確認しておきましょう。

PAE
PAEは4GB(32bit)以上のメモリを使えるようにする仮想アドレス拡張機能のことです。
この項目は、32bitディストリビューションをインストールする場合のみ関係し、64BitOSをインストールする場合は関係ありません。
PAEについては、最近の重量級ディストロ(Ubuntu等)は、PAEに対応していない場合はインストール出来ません。(メモリを4GB以上使う使わないに関係なく。)

PAE確認方法。
WindowsXpの場合。
“システムのプロパティ”の「全般」タブの画面の下側の方に“物理アドレス拡張”とあればPAEが有効。
(WinXpパソコン前期でCPUがCeleronMの場合に要注意。Vista以降のマシンで有れば、CPUがCeleronでも問題ないでしょう。)


パーティション
パーティションはHDの区画のことです。


HDは上図の様に、1つのハードディスクを幾つかに区切り、それ等に必要とするフォーマットをして使用している場合が殆んどです。(上図は参考図なので容量は、0GBで表示しています。)

例えば、WinならC:システム、D:システム以外(データ等)等としている場合が殆んどです。
上記の様にシステムとデータを分けていない(1つの区画しかない。上図ならPartition-1のみで、2以降は無い)と、システムが壊れて、C:(Partition-1)にシステムを再インストールした場合、C:にあるデータは無くなってしまいます。
システムとデータ用のパーティションは別けておいた方が良いでしょう。

1つのHDに作成できるパーティションの種類や数には規定があり、種類は、“基本パーティション”と“拡張パーティション”が有り、拡張パーティション内に“論理パーティション”を作成します。
最低、基本パーティションが1つ必要です。基本パーティションは4つまで作成できますが、5つ以上のパーティションを使用したい場合は、4つ目の基本パーティションは、拡張パーティションとしなければならないので、基本パーティション×3つと拡張パーティション(例えば、5つのパーティションを使う場合は、論理パーティション×2)という構成になります。

なお、FAT32、NTFS、ext4等は、パーティションの種類ではなくフォーマットの種類ですが、大概はOSインストール時に、フォーマットの種類を指定できることが多いと思います。また、Windowsなら“ディスクの管理”、Linuxなら“GParted”等からフォーマット変更ができます。



図 インストール形態

WindowsとLinuxでのパーティション表示の違い。

上図でパーティション(Partition)1の表示は!。

Windowsなら“C:”となり、HDD1は、Disk0(ディスク0)と表示されるので、Disk0の“C:”となります。
Disk番号は0からカウントされ、2番目のHDDは“Disk1”となります。

Linuxの場合は、HDDはアルファベットで表され、Disk0は“sda”、Disk1は“sdb”のように表され、ディスク内のパーティションは、“1”、“2”のように数値で表されます。例えば、Disk0のパーティション1なら“sda1”、同様にパーティション2なら“sda2”と表示され、もし、Disk2のパーティション1なら“sdb1”、同パーティション2なら“sdb2”のように表示されます。
(表示方法によっては、“dev”を頭に付け“/dev/sda1”の様に表示する場合もあります。(devはデバイスを表しています。))

上図のPartition-1とか2(パーティションの切り方によっては2以外)にOSをインストールしますが、1つのPartitionに1つのOSをインストールします。
例えば、上図のPartition-1に、WindowsとLinuxの2つをインストールはしません。
2つのOSをインストールする場合は、Partition-1:Windows、Partition-2:Linux(例えばUbuntu)の様にパーティションを分けてインストールします。

複数のOSをインストールする場合は、!。
WindowsとLinuxをインストールする場合は、先にWindowsのインストールをして下さい。
市販PCは、既に“C:”にWinがインストール済なので、次にインストールするOS(例えばLinux)は、それ以外のパーティションにインストールします。

注意)
WindowsとLinuxをデュアルブートする場合は、先にWindowsをインストールしておく必要があります(この方が無難)。また、Windows98/Me(まず現在ではインストールすることはないと思うが、)を一緒にインストールする場合は、最初にWin98/Meを“C:”ドライブにインストールする必要があります。


HDインストール形態

シングルブート方式

通常の市販PCの方式で、OS(Windows、MacOS、Linuxなど)を1つだけインストールする方式です。
一般のPCではWindowsのみがインストールされています。
上図のPatition-1の場所にシステムがインストールされます。

1つのOSのみのインストールする場合は、Partitin-1にインストールしますが、Linuxをインストールする場合は、既にインストール済のWindowsを消して、其の場所にインストールします。
例えば、WinXpを削除して、Ubuntuをインストールする場合など。(自作PCやNewHDDと換装した場合は、その限りに非ず。)


デュアルブート方式(マルチブート方式)
デュアルブートは、2つのOSがインストールします。
例えば、WindowsとWindows、WindowsとLinux、LinuxとLinux等の方法があります。
(2つ以上のOSをインストールするのをマルチブートとも言います。)

WindowsとLinuxをインストールする場合は、先にWindowsのインストールをして下さい。
市販PCは、既に“C:”にWinがインストール済なので、次にインストールするOS(例えばLinux)は、それ以外のパーティションにインストールします。
WinとLinuxをマルチブートする場合に、Winの再インストールを行ってからLinuxのインストールを行う場合などは、先にWinのインストールを済ませておいてください。(この方が無難です。)


例えば、上図のPartition-1にWindows、Partition-2にLinuxをインストールします。

2つ以上のOSがインストールされているので、PC起動時にOS選択画面
*1(下記)が表示され、起動OSを選択して起動します。

デュアルブート方式の良い点としては、使用するOS本来の実行スピードで実行されます。
欠点としては、インストールしてあるOSは、選択したOSしか起動できない(同時に1つのOSしか起動できない)ことでしょう。

*1) OS選択画面参考図



上図は、UbuntuとLinux Mintをデュアルブートした例です。
(最初にUbuntu、2番目にLinuxMintの順にインストールしました。逆でも良いです。)
上側矢印でLinuxMintを、下側矢印でUbuntuを起動します。
上図2行目のLinuxMintはリカバリモードで起動します。
その下は、メモリテストです。
下部の下線部に“9s”とありますが、此れはカウントダウン(10秒)の値で、“0”になるとデフォルト選択OS(反転表示)が自動的に起動します。
カウントダウン秒数やデフォルト自動起動OS等の設定変更を行うことも可能です。
(この画面からは設定変更はできません。)

仮想OS方式
インストールされているOSの中に仮想マシンを作成して、そのマシンにOSを組み込む方式です。

前図“インストール形態”で言えば、Partition-1やPartition-2にインストールしてあるシステム(WinやLinux)内に仮想マシン(図“インストール形態”のPartition-1や2のVirtual Machineが該当する仮想マシンとなります。)を作成して、その仮想マシンにOSをインストールする方法で、複数の仮想マシンを作成できます。また、マルチブートと仮想マシンを組み合わせて使う事もできます。

仮想OSの良い点としては、仮想OSも同時に起動できるため、マルチブートと比べると、とても便利です。
欠点としては、仮想OSは実行スピードが本来の実行スピードに比べ遅くなり、それだけハイスペックPCを必要とします。
あまりスペックの高くないPCで動作させた場合は、仮想OS側で動作にモタつきが生じ、ひどい場合にはフリーズしているように見える場合もあります。例えば、動画再生を行った場合に、カクカク再生であったり、ひどい場合には時々再生で後は止まっているといった感じになります。
また、Windows(有償OSや有償アプリを含め)を仮想OSとしてインストールする場合でも、インストールする数の分だけのライセンスを必要とします。例えば、Windowsのライセンスが1つしかないのに、PC本体OSの他に仮想OSとして同じWindowsをインストールして登録すると、PC本体側のWindowsのライセンスが切れてしまいます。
Linuxディストロの場合は、殆どがフリーライセンスのため、この心配はなく、多くのディストロをインストールすることが可能です。

仮想OSデスクトップ参考図



上図は、LinuxディストリビューションのUbuntu12.04(奥の赤紫壁紙部分)上で、同じくLinuxディストリの“Voyager”(手前の宇宙船壁紙)が動作している画面です。

参考)
仮想マシンではなく、WindowsにUbuntuを組み込む“Wubi”というのもありますが、これは、Ubuntuに限られ、また英語版に限られます(だったと思う?。)。Windowsに組み込むため、仮想OSのように実行速度が遅くなることはありませんが、大きな欠点として、Windowsに組み込むため、フラグメンテーションを発生し、此方の弊害の方が大きいので私は使用していません。同様なものに“coLinux”等もありますが、こちらは導入が面倒ですね。

此処までのまとめ
●32bitマシンの古いマシン(WinXp前期以前のマシン)の場合は、PAEに対応していないと、PAE対応ディストロはインストールできない。
●1つのパーティションには、1つのOSのみをインストールする。(仮想OSは別)
●1つのパーティションに、WindowsとLinuxを混在させるようなインストールはしない。
●WindowsとLinuxをインストールする場合は、先にWindowsをインストールする。
 例)C:Windows D:Linuxのようにする。(D:Linuxは任意のパーティションで良い。)
 上記例は、Windows表記。Linux表記は、sda1:Windows sda2:Linuxとなる。
●マルチブートと仮想OSを使用する場合は、予め各パーティションにOSをインストール(マルチブート)しておき、各OSに仮想マシンを作成する。


使用目的にあわせてOSインストール方式の選択しましょう。

シングルブート方式を選択。
初めてWindows以外のOS(例えばLinux)をインストールする場合に、もし不要なPCがある場合は、それにインストールしましょう。
インストール済のWindowsを削除してインストールしますが、予めWinを削除する必要はありません。OS(Linux)インストール中に削除されます。(ディストロによっては、予めパーティションを作成しておく必要がある場合があります。)
OSを1つしかインストールしないため簡単です。
WinXpマシンを再生しようとおもうなら、今更Xpをインストールしておいてもしょうがないので、Linuxのみとしましょう。Xpはセキュリティに問題が残るので使用しない方が良いでしょう。
しかし、使いたいWindowsアプリが有る場合は、Net接続をしないでアプリのみ使用するならWindowsを残しておいても良かも!。其の場合は、次のマルチブート(デュアルブート)を選択しましょう。

デュアルブート方式を選択。
もし、既存のWindowsも残しておいて、別のOSもインストールしたい場合はデュアルブート方式が良いでしょう。
OSインストール構成は、WindowsとWindows(例えばXpと7)、WindowsとLinux、LinuxとLinux等の構成があります。
WindowsとLinuxの場合は、先にWindowsをインストールします。Linuxの後にWindowsをインストールすると、GRUB(Linux)がMBR(Windows)に書き変わり、Linuxの起動が出来無くなります。(MBRの書き換えが必要となります。)

Windows ×2のデュアルブートを行う場合も、追加インストールする方のOSのライセンスは必要です。

デュアルブートする場合にインストールするOSはLinuxがお薦めです。(Linuxの場合、殆どは無料です。)
Linux、正しくはLinuxディストリビューション(配布物)というべきでしょう。
Linuxディストリビューションは沢山の数があります。ページ“Linuxディストリビューション”を参考にして下さい。

実際のインストール方法は、ページ“Linuxディストリビューション”の其々のページを参考にして下さい。
Ubuntuのページが一番参考になるのでは?。
CPUがDualCoreでメモリが2GB以上載っているので有ればUbuntuをお薦めします。

もし、初めてLinuxを導入するのであれば、例えばUbuntuを導入した場合は、最初にデスクトップのユーザーインターフェースに戸惑いを感じるかもしれません。
出来ればWindowsXP(Windows7から以前)風なデスクトップインターフェースにしたい場合は、ディストリ“Lubuntu”を導入すると良いでしょう。UbuntuをXp風なデスクトップにしたい場合は、ページ“LunuxのWindowsXP化”をご覧下さい。(Linuxの場合は、デスクトップのカスタマイズがWindowsでは及びがつかない程のカスタマイズができ、このカスタマイズが楽しみの一つでは有ります。)

参考)マルチブート
2つ以上パーティションに、其々OSを載せることですが、デュアルブート、トリプルブートもこれに含まれます。
実質的には、3つ以上のOSを載せても、必然的に使用するOSは限られてくることが多いので、デュアルブート程度で止めておき、他のOSを試してみたい場合は、仮想OSとして作成した方が良いように思います。

仮想OS方式を選択。
結構ハイスペックなPCを持っている場合は仮想OS方式を導入しましょう。

OSを多数インストールしておきたい。2つのOS(ホストとゲスト)を同時に使用したい。
この様な場合は、仮想OS(ゲストOSタイプ)を導入しましょう。
ただし、Win7以降のマシンを使用しないと、使用に耐えられないでしょう。

もし、マルチブートと組み合わせる場合は、先にマルチブートを構築しておいてから、其々の基本OSに仮想マシンを構築しましょう。

Windowsに仮想OSを導入する場合は、仮想マシン構築やゲストOSのインストーラとしては、“Oracle VM VirtualBox”や“VMware Player”(Playerが無償バージョン)を導入するとよいでしょう。
VirtualBoxはUbuntuなら“Ubuntuソフトウェアセンター”から簡単に導入できます。(最新版ではないので、ソフトをダウンロードしてインストールすることも可能です。)
また、ディストロによっては、VirtualBoxがインストール済のものもあったような気がします。

ページ“仮想OS”の其々のページを参考にして下さい。また、ページ“Linuxディストリビューション”のディストリに拠っては、ゲストOSとしてインストールした場合の、“VirtualBox GuestAdditions”や“VMware Tools”のインストール方法が載っているページもありますので、各ディストリについても参考にして下さい。


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